薬やサプリ、漢方や飲み物も注意
高血圧や糖尿病、更年期障害など、身近な病気の治療薬と相性が悪いサプリがある。例えば、血液サラサラ効果で人気のEPAやDHAなどオメガ3系脂肪酸サプリやCMでおなじみのセサミンと、高血圧の薬との飲み合わせ。
併用すると血圧を下げすぎてめまいや立ちくらみを起こし、意識を失うおそれがある。特にシニア世代は低血圧になったときの症状が重く出る場合があるので、注意が必要だ。
また、見過ごしがちなのが漢方。処方薬と、市販の漢方薬や漢方成分を含む風邪薬やドリンク剤などとの飲み合わせにも気をつけたい。
さらに、薬の作用に悪影響を及ぼす食べ物や飲み物もある。その代表がグレープフルーツ。高血圧の薬と併用すると薬が効きすぎてしまって急激な血圧低下でめまいや頭痛を引き起こすことも。
飲み合わせによって、薬が効きすぎたり、効果を打ち消しあったりと、相互作用はさまざまだが、危険であることに変わりはない。どれも1時間ほど間隔をあけて飲めばリスクは下がるので、一緒に飲むことは絶対に避けたい。
「思いもよらない副作用を未然に防ぐためにも、日ごろ常用しているサプリなどがあれば、お薬手帳に記載し、かかりつけ医や薬剤師に報告しておくことをおすすめします。
なお、分子栄養学を学んでいる医師にかかれば栄養療法や採血などの検査を用いて本当にそのサプリがあなたに必要か否かを見極めてくれるので安心です。そういう視点でかかりつけ医を選ぶのもひとつの手だと思います」
サプリはピンキリ、裏をみるべし
ちなみに寺田先生によると、市販されているサプリは玉石混交。そのため、選ぶ目を持つことも重要だと訴える。
「私の患者さんには原材料や製造方法など品質にこだわった医療機関でしか買えないサプリを推奨していますが、みながみな、そういうわけにもいかないので市販品なら質のいいサプリを選んでください」
その方法とは、サプリの袋の裏面を見ること。
「サプリはあくまでも食品ですので、食品表示法に基づいて裏面に商品に関する情報が記されています。そこを見れば、粗悪品を見抜くことができます。
まずは〈原材料名〉。いちばん多く含まれているものから順に並んでいます。例えば、商品名は『マルチビタミン』でも、メーカーによって含まれている成分は大きく異なります。
マルチビタミンという名前でもいちばん最初にビタミンではなく、麦芽糖や乳糖、イノシトールといった糖分が表示されているものもあるので要注意です」
もうひとつは〈添加物〉。「原材料名より添加物のほうが多く表示されているものも。サプリの成分の多くが添加物という可能性が高いので避けたほうが無難です」
いいサプリの見極め方
(裏面の例)
名称:ビタミン類含有食品
(★1)原材料名:麦芽糖、乳糖、イノシトール、ビタミンC、結晶セルロース、ビタミンB…
(★2)添加物:ゼラチン、二酸化ケイ素、ショ糖脂肪酸エステル、着色料(カラメル、二酸化チタン)…
(★1)原材料名に並んでいる成分は?
多く含まれているものから順番に並んでいる。商品名にある栄養素の名前が最初に表示されているものは比較的品質が高いといえる。この場合はビタミン名よりも前に糖分名が書かれていて主体が糖分だとわかる。
(★2)添加物がどれくらい入っているか?
原材料名欄の/(スラッシュ)以降に表示されていたり、改行して表示されている場合もある。添加物名が多すぎないか要確認。特に増量剤や着色料、甘味料、保存料といった添加物が多いものは避けたほうが無難。