その賞味期限も、家庭用冷凍庫の平均温度マイナス18度で保存されていることを前提に設定されているのです。でも、家庭の冷凍庫は開け閉めがしょっちゅうあるのでマイナス18度のキープは難しい。

 冷凍食品だからと保存期間を過信しないで、2~3か月をめどに使い切る。自分で冷凍した食品ならば1か月。冷凍食品でもゆっくりと劣化は進むことを念頭に置いておきましょう」

●業務スーパー人気冷凍食材ランキング
1位 冷凍うどん5食
2位 ブラジル産鶏肉2Kg
3位 冷凍ほうれん草500g
4位 フライドポテト1Kg
5位 揚げなす乱切り500g
※昨年の取材より。加工食品より添加物が少なく安心な冷凍素材が人気!

●この冷食はこの添加物に注意!
・餃子→乳化剤、加工デンプン
・チャーハン→タンパク、加水分解物
・コロッケ→酸化注意
・焼きおにぎり→カラメル色素

冷凍食品のトリセツ ・パッケージは裏面までチェック! ・危険な添加物の入っていないものをセレクト! ・冷凍庫の開け閉めはなるべく減らす! ・賞味期限を過信せず2~3か月で食べ切る!

フランスのレイショク事情

 海外の冷凍食品事情はどうなっているのだろうか。24~49歳の女性の就業率が80%を超え、共働き世帯がほとんどであるフランスの冷食事情を見てみたい。2016年、日本にも1号店が開店したフランスの冷凍食品専門スーパー『ピカール』は、冷凍野菜やクロワッサン、メインディッシュからデザートまでそろうとして、働く女性に人気だ。

おしゃれな外観のピカールは東京、神奈川に20店舗を構える
おしゃれな外観のピカールは東京、神奈川に20店舗を構える
【写真】冷凍食品パッケージの裏に大量に記載されている添加物を見分ける

 日本では通常の冷凍食品よりやや高額に設定されているが、現地では“普段使い”の冷凍食品だ。日本の店舗でも人気のパスタやラザニアなどの表示を小薮さんにチェックしてもらった。

原材料表示のスラッシュに注意してください。食品表示法では、原材料と添加物を分けて記載し、スラッシュ(/)の後に添加物を記載することになっていますが、悪いものはほぼ何も入っていないようです」(小薮さん)

原材料表示に注目。ピカールのイタリアンライス…ピカールのものにはスラッシュさえもない
原材料表示に注目。ピカールのイタリアンライス…ピカールのものにはスラッシュさえもない

 パエリアに香料が使われているものの、たしかにパスタやラザニア、スープなどには添加物の記載がない。

「なかなか立派だと思います。フランスは、食品の安全基準について厳格なところがあり、日本のカツオ節でさえ“燻す過程で発がん性物質が生成されるから”と輸入を長らく認めていなかったほど。日本ではマーガリンなどに使われているトランス脂肪酸も、フランスでは、食品中のトランス脂肪酸濃度の上限値を設定して規制しています」(小薮さん)