「むしろアウト!」なマナー10選

和食編

●逆さ箸 「じか箸での取り分けは不衛生だから、逆さ箸で取る!」

 大皿料理をシェアするときは取り箸を使う、もしくはほかの料理に箸がつかないように取ればOK。なにより逆さ箸で箸の反対側を使うのは今のご時世、不衛生かも?

じか箸での取り分けは不衛生だから、逆さ箸で取る!
じか箸での取り分けは不衛生だから、逆さ箸で取る!
【イラスト】木村拓哉、高畑充希、北川景子…有名人の“残念”食事スタイル図鑑

●手皿 「口もとまで距離があったら手皿を使うのが上品!」

 上品な所作のつもりで手を小皿のように添えてしまいがちだが、これは完全にマナー違反。口に運ぶまでにこぼしてしまいそうならば、手皿でなく小皿を手に持って。懐紙があればなおよし。

イラスト/TORU
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洋食編

●ワインサーブ待ち 「いい女ぶってグラスを傾けワインを注いでもらう」

 飲み物のグラスは置いたままサーブを待つのが基本。海外では男性が注ぐものなので、女性がお酌してしまうのは厳禁。乾杯でグラスをぶつけると破損の原因にも。物にも思いやりを!

イラスト/TORU
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●炭水化物残し 「炭水化物は手をつけない、または少しだけ食べて残す」

 糖質制限ダイエット中の人にありがちな光景だがお店に失礼。そもそも手をつけない、大半を残すつもりなら「いりません」もしくは「少なめにしてください」と注文のときに伝えて。

炭水化物は手をつけない、または少しだけ食べて残す
炭水化物は手をつけない、または少しだけ食べて残す

●ハンカチ使い 「いい店の布ナプキン。汚すと悪いからハンカチで口を拭く」

 店が用意したナプキンを使わないのは「このナプキンは汚い」という意味があり失礼。最後はテーブルの上にクシャッと置いて。キレイにたたむと「美味しくなかった」のサインに!

いい店の布ナプキン。汚すと悪いからハンカチで口を拭く
いい店の布ナプキン。汚すと悪いからハンカチで口を拭く

●串はずし 「気遣いできる大人は焼き鳥を串から全部はずすのが常識」

 流行歌にもあったが、大勢でシェアするときなど、食べやすさや取りやすさを優先してやりがち。しかし焼き物は本来、串についた状態を計算して調理されているもの。基本的には串のまま食べて。

気遣いできる大人は焼き鳥を串から全部はずすのが常識
気遣いできる大人は焼き鳥を串から全部はずすのが常識

●割り箸しごき 「割り箸は割った後、しごいて使うのが粋でしょ!」

 かつては割り箸の素材が粗悪で、しごく人もいたが、これは無作法。木くずをまき散らす行為であり“この箸は質が悪い”という意味もあり、店側に失礼。

割り箸は割った後、しごいて使うのが粋でしょ☆
割り箸は割った後、しごいて使うのが粋でしょ☆

●衣はがし 「胃が上品すぎるから、揚げ物は衣をはがしていただきます」

 “じゃあ揚げ物頼まなきゃいいのでは?”とツッコみたくなるこの食べ方。から揚げはもちろん、とんかつ、天ぷらの衣をはがして残す姿は見た目も汚い!

胃が上品すぎるから、揚げ物は衣をはがしていただきます
胃が上品すぎるから、揚げ物は衣をはがしていただきます

●カップ両手持ち 「ティーカップはあざとく両手で持って飲む!」

 取っ手のついたカップは片手で持つのが正解。左手をカップに添えていると冷めているというサインになる。“可愛く上品に見えるかも”など、あざとい考えは捨てよう。

ティーカップはあざとく両手で持って飲む
ティーカップはあざとく両手で持って飲む

●ステーキシェア 「頼んだ大皿の肉料理。シェアは女子の役目です!」

 女子力アピールで女性が肉料理をカットして取り分ける行為はアウト。肉の解体はホストたる男性の役目であり、洋食はレディーファーストが基本。余計なサービスは不要なのだ。

イラスト/TORU
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飲食店従業員が激白!「これが私たちの嫌いな“下品な客”」

 外食での下品なしぐさを見ているのは同行者だけではない、その店の従業員もしっかり見ているものだ。

「常連客が金持ちアピールなのか毎回、大量に頼んでは大量に残す。“金さえ払えば”って意識が見えるけど、もったいないんだよ!」(居酒屋店主)

 フードロスが騒がれている今のご時世を考えても、この頼み方はいただけない!

「そしてもっと嫌なのが、その食べ残しをもらおうとして、近くに座る女性客。いい年をして毎回、上目遣いでおねだりしている姿もゲンナリする」(同)

 ハイエナみたいな客、飢えすぎ!ほかにも“元を取ろう”とする精神は嫌われる。

「ウチのうどんは他店に比べるとやや高めなので、天かすやねぎは無料にしている。それをここぞとばかりに大量に入れてカサ増しする輩が多くて……有料にすべきか悩んでます」(うどん専門店経営)

「オーダーバイキングは人間性が出る!特にラストオーダーで何皿も頼んでたくさん残す客。2度と来るな!って思う」(中華料理店スタッフ)


 話を聞いて、こちらの気持ちまで荒む残念エピソードの数々だ。そして意外と多かったのが、調味料を何にでも大量に使う「味変」族!

「多少ならいいが、毎回大量のマヨネーズを4回おかわりする常連がいる。マヨラーだとしても何でもマヨをかけるのは厨房に失礼。さらに鍋のだしもおかわり。なぜかわさびを溶いてガブガブと飲む姿がキモイ」(鍋料理店店員)

 味の魔改造は厨房スタッフに嫌われると心得て!また、高齢女性に多く見られるのが、食品の持ち込み。

女性同士の集いだと、自分の手土産を広げて食べ始めることも。コーヒーだけ頼むのやめて~」(喫茶店店主)

 同じ持ち込みでも、ゴミの持ち込みもご勘弁!

最近の若い人は外で飲み終わったコーヒーのプラカップを当然のように持ってきて、店内に置いて帰る。事業ゴミは処理にもお金がかかるので困りますね」(居酒屋経営者)

 外置きのゴミ箱が少ない昨今だが、自分のゴミは自分で持ち帰って~。そして迷惑マナーで最も多く聞かれたのは、食器の下げものについて。

「気遣いかもしれないけど、油ものの食器の上にグラスを置かれて、ウワッて思った。それと空の食器を、隣の空きテーブルにそっと置くのもやめてほしい」(和食店アルバイト)

 悪気なくやっているので強く怒れもしないが……。

「食器の上にのせられた大量のティッシュが不快。また、それを残り汁の中に入れる人も。汁物が吸収されてさらに気持ち悪い!」(同)

 さまざまな本音が噴出した。

 トンデモ客認定されず、店側にも迷惑をかけず、おいしく楽しい食事を心がけよう!

イラスト/TORU
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 お話を伺ったのは…西出ひろ子先生 ●ヒロコマナーサロン、マナー美人倶楽部主宰。参議院秘書などを経て、マナー講師として独立。NHK大河ドラマや映画など、多くの著名人のマナー指導を務め、数多くのメディアでも活躍。著作は100冊以上。

〈取材・文/三輪順子〉