“だって私テレビ見てるから当事者だもん!”
3月6日、日本一のピン芸人を決める『R-1グランプリ』(フジテレビ系)が放送された。女芸人の吉住(32)が演じたコント『正義感暴れ』は優勝こそ逃したものの審査員のバカリズムが最高得点をつけるなど、高評価を得た。その内容は、普段は“聖人”と呼ばれる穏やかな女性が、芸能人の不倫にだけ過激に怒ってしまうというもの。芸能人の不倫に怒ってしまう理由を聞かれた吉住扮する女性は冒頭のように絶叫するのだった。
「これって私のこと? 笑うに笑えなかった」
と言うのは、トンプクさん(仮名・30代女性)。彼女は吉住が演じた《普段はいい人なのに芸能人の不倫を許せない人》と同じ考えを持っており、Twitterでその“正義感”をつぶやいている。フォロワーは0でフォローしているのは数名の芸能人。開設日は2020年11月で、主に芸能人のツイートにリプライを送っている(※以下、登場する人物のツイートは特定を防ぐために一部を変えています)。
30代主婦は「佐々木希さんに絶望しました」
記者が初めて見たトンプクさんのツイートは、先日復帰したばかりのアンジャッシュ渡部に関するもの。執拗に渡部の降板を迫るツイートを繰り返していた。
《不快です。渡部さんが出てくるならチバテレビが映らないところに引っ越します》
と、番組ツイッターや渡部の関係者に繰り返しリプを送っていた。
不倫報道があった俳優の東出昌大が元所属事務所・ユマニテを解雇された際には、ユマニテ公式ツイッターに《素晴らしい決断だと思います》と賛辞を送っている。
このTwitterではプライベートな情報は一切つぶやいていない。
トンプクさんは、不倫や浮気について強い“正義感”を持っているようだ。詳細を聞くべく取材のお願いをDM(ダイレクトメール)で送ると、匿名と素性が絶対にわからないことを条件に取材に応じてくれた。唯一、30代女性であることだけは掲載OKとのこと。電話取材に応じる彼女は、吉住が演じる女性のように穏やかで、不倫や浮気を攻撃するツイートをする人物とはとても思えない。『R-1』を視聴した感想を尋ねると冒頭の答えが返ってきた。(ここからは一問一答)
なぜ渡部さんを降板させたいのですか?
「あんな下品なことをしておいてまた出てくるのはちょっと……」
直接、面識はあるんですか?
「ないですよ。ただの視聴者です。テレビを見て気分が悪くなったら意見を言っていいのでは?」
普段はどんな生活をされているんですか?
「主婦です。子どももいます」
30代女性という以外は明かさないと言いながらプライベートな情報を明かしてくれた。
ご家族はトンプクさんのツイートをご存知ですか?
「知らないと思いますが、私が不倫を許せない人間だということはわかっていると思います。子どもにも渡部のことは悪い人と教えています」
渡部さんの配偶者の佐々木希さんやお子様のことはどう考えていますか?
「佐々木希さんには失望しました。(東出と離婚した女優の)杏さんのようにすぐに離婚されれば応援したのに。お子さんは被害者ですよね。私は主人が渡部のようなことをしていたとわかったらすぐに離婚し、去勢させます」
“去勢”という過激なワードも穏やかな口調でマイルドなものに聞こえてくる。
不倫芸能人に対して過激なツイートをしているように見えますが、なぜ不倫が許せないのですか?
「私の生い立ちとは関係ありません。過去に親が不倫していたからとかそんな展開、期待してます?(笑)」
なぜ芸能人の不倫に反応されるのか知りたいです。
「今はこうしてSNSで意見が言える時代です。どんどん活用すべきだと思うんです。昔から(不倫報道のあった)石田純一や真田広之を嫌悪していました。あのときにSNSがあったら同じことしていましたよ」
当時はどうされていたんですか?
「別に何も。2ちゃんねるの存在も知らなかったですし。心の中で嫌悪しているだけでした。松原千明さんも手塚理美さんも素晴らしい女優さんなのに。なんで不倫するんですかね」
これからも渡部さんや不倫する芸能人が出てくるたびに活動されるんですか?
「活動ってなんですか?」
SNSに書き込む行為です。
「それはします。有害な番組や人物を視聴者がフィルタリングすることは子どもにとってもいいことだと思います。テレビを見ちゃダメなんて教育は子どもが歪む可能性ありますでしょう」
誹謗中傷で渡部さんが病んでしまったらどうしますか?
「誹謗中傷はありもしないことを言うことですよね。渡部さんは悪いことをしたんだから誹謗中傷じゃないと思うんですけど。そういったお話でしたら切りますね。さようなら」
電話は一方的に切られ、その後、繋がらなくなった。さらにトンプクさんのツイッターアカウントは削除されてしまった。ただ、最後まで冷静で穏やかな口調は変わらなかったため、トンプクさんの真意はわからない。