制度廃止を求めるネット署名も
国会でも湖東さんと同様の疑念が持ち上がっている。3月17日の参院予算委員会で山添拓議員から「(インボイス制度は)消費税率の引き上げを目指しているのではないか」との質問が出た。これに対し、岸田文雄首相は「少なくとも消費税率について触れることは考えていない」と述べたが、この答弁を湖東さんはいぶかしむ。
「IMF(国際通貨基金)は日本の消費税率を'30年までに15%に引き上げ、さらに'50年までに20%にするべきと提言しています。そのうえでインボイスが導入されることを踏まえれば、岸田首相の在任中かどうかにかかわらず、消費税の税率を引き上げていくと考えるのが自然です」
このまま行けば、インボイスは来年10月から本格始動してしまう。今の流れを押し返す方法はあるのだろうか。
「7月の参議院選挙を控えた地元の議員に、電話やメールで反対の声を伝えることをおすすめします。また、フリーランスや税理士らが『STOP!インボイス』という市民団体を立ち上げ、制度廃止を求めるネット署名を募っています。そこへ参加してはいかがでしょうか。今からでも打てる手はあるので、あきらめないことです」
「インボイス制度」の影響を受ける人まとめ
■年収1000万円以下の「免税事業者」 ■企業と取引を行っている場合
具体的には…
・個人タクシーの運転手
・Amazonなどの配達請負業
・ウーバーイーツなどの食事宅配業
・英会話学校や塾の講師
・「一人親方」など建設の下請け
・俳優・芸人・脚本家・音楽家・作家・翻訳家
・農家・ネイリスト・マッサージ師・プロスポーツ選手
・フリマアプリや手作り通販サイトの出品者
・データ入力やライティングなどの個人請負
・自動販売機の設置者・駐車場経営者
・会社と業務委託契約などを結び外注化された社員
・編集者・ライター・デザイナー・イラストレーター・写真家
・生命保険の営業を行う生保レディー・シルバー人材センター会員