この春にはハイジのキャラクター・おんじが歌う姿が反響を呼んだ。“うますぎる”歌声に、SNSでは誰が歌っているのか話題に。
「歌っていたのは、シンガーソングライターの松室政哉さんになります。松室さんファンの方々からも大きな反響がありました。新型コロナウイルスの影響で子どもたちにとって厳しい学習環境が続く中、この春のCMを通じて少しでも前向きに頑張ろうと思っていただけることを願いながら、メロディーにもこだわりぬいて作り上げました」
と担当者。ここのところ、トライのCMでは主人公・ハイジよりも“おんじ”やクララの父親である“ゼーゼマン”がメインのキャラクターになりつつあるように思うが、これにもワケが……?
懐かしさ+トレンド
「おんじやゼーゼマンといったキャラクターありきでCMを作るのではなく、まずは私たちがCMで一番伝えたいメッセージや訴求内容と親和性の高いキャラクターは何かということを、新作を作る度に一から検討しています。
『教えて!トライさん』シリーズ開始当初は、親御さん世代に懐かしさを感じていただくために作品の世界観を重視し、ハイジやクララなどのメインキャラクターを中心にCMを制作してきました。
ですがトライのサービスが多様化する中で、メッセージを伝える対象が親御さんだけではなく中高生にも広がっていきました。そのため、その時々のトレンドを取り入れた“目新しい演出”を用いることで子どもから親御さんまで幅広い年代にメッセージが届くよう工夫を凝らしているんです。
最近では、YouTuberのフォーマットを活用したり、お笑い芸人『ミルクボーイ』さんとのコラボなどを取り入れたりしたことでティーン層にも大きな関心をもっていただけたと思います」
ちなみにCM内にはメガネをかけたオリジナルキャラクター「トライさん」も登場する。「トライさん」は学習をサポートする“教育のプロ”としての役割を担う「教育プランナー」がモデルとなっているとのこと。
“ただ面白い”だけじゃない、そこには計算し尽くされた制作側の思いが込められていた。そんな苦労も重ねつつ、こうして10年かけて続けてきたCMは今や“誰もが一度は見たことのある”おなじみのものである。昨年は、なんと『CM好感度ランキング』で第1位に!
「おかげさまで7月、10月、12月に『CM好感度ランキング』のマスコミ・教育部門において第1位に選ばれました。また、今年の3月には全銘柄2,067本のCMの中でTOP10入りも果たしたんです。
長年にわたって『アルプスの少女ハイジ』を起用し続けたことで、CMを見た瞬間に“トライのCMだ!”と認知していただけるようになりました。こうしてシリーズが長く続いているのも、親御さんや子どもたちの悩みに寄り添うことにこだわって、新しい演出にも挑戦しながらCMを制作してきたからこそだと思っています」
今後、どのような新作が待ち受けているのかーー。この先、11年、12年目と続いてほしいものだ。