自殺未遂をした年の12月31日、常連だったNHK紅白歌合戦の裏番組で緊急会見を開き、明菜はこう語っている。
「私が仕事をしていくうえで、いちばん信頼していかなくちゃいけない人たちを信頼することができなくなってしまった」
現在の明菜は「話したくない」
家族や恋人に裏切られ、明菜は人間不信の螺旋に落ちていく。
「今はもう、明菜と直接話すこともできていません。事務所に何度も連絡し、明菜と話したいと伝えても、一緒にいるマネージャーが“明菜が話したくないと言っているので”と繰り返すだけ。父は今も明菜のことを心配し“元気にしているのか”“ビルを売らなければよかったのに”と呟くように話しています」
大好きだった母親の墓前には手を合わせているのか。
「明菜はお墓の場所を知らないはずなので、行ってないと思います。母の死に目に会えていないんです。前日には来たのですが、当日は仕事で来られず、すごく悔やんでいました。だからこそ父には会ってほしい。入院中の父は今年88歳になりましたが、どこの病院にいるかも明菜は知りません。残された時間は長くないので、一度でもいいから来てくれればと思うのですが」
家族なんだから─。そんな言葉が聞こえた気がした。
「また明菜が元気に歌う姿を見られることだけは、いつも心から願っています」
この一縷の望みが明菜に届けばいいのだが─。