ホスト通いから抜け出せない理由

「彼女には軽度の知的障害があるようで愛の手帳(療育手帳)を持っていると話しています。加えて、統合失調症を発症したことが過去にあり、入院したこともあったようです」

 このチャンネル以外にもインタビューを受けているAさん。Webライターは続ける。

「高校卒業後、都内の実家を出て正社員として事務の仕事をしていたが、あまり稼げなかったようです。その後、“縛られたくない”との思いから退職し、キャバクラや風俗店で稼ぐようになったんだとか。ホストをしていた男性と同棲しながら3年間で2000万円を貢いだと話していました」

 親の反対でそのホストとは別れさせられたというが、その後、漫画喫茶や風俗時代のお客の家などを転々とするホームレスになったそうだ。父親はいつからか無職で、母親にも病気があるため実家には「帰ってくるな」と言われ、風俗で働いていたことやホームレスになったことも知らせていなかったと話している。

 70円しか持ってないときも、ホストクラブに行って「スナック盛り」を頼んで、それで飢えをしのいでいたAさん。ホストに嫌われるのが怖くて通うのをやめられず、お金が無くても「売掛(ツケ)」、つまり借金をしながらクラブに通っているという。抜け出すことがなかなかできない状況にいるようだ。

 これまでに、援助交際をしようと街にいたところを2回、警察に現行犯逮捕されたことも語っていた彼女。今はバレないように風俗時代のお客やネットで知り合った人に営業をかけ、援助交際やパパ活を続けているという。

 生活保護の制度にはこんな趣旨がある。

生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています》

 生活保護に詳しい関係者へ話を聞いた。

生活保護の支給に関しては、一人一人個別に審査をしているようです。個々の置かれた状況や抱える問題に寄り添いながら自立に向けたサポートをしていると聞きます」

 収入を隠しながら、生活保護費を受給することは許されることではない。しかし、知的障害や心の病を抱え、正しい判断が出来ないAさんが、一方的に悪いとも言い切れない部分もある。彼女のような人々に対し、行政としてどのような対応が正しいのかは根深い問題となりそうだ。