鼠先輩の憧れミュージシャン「甲本ヒロト」

鼠先輩、東京・六本木で新曲のデジタルリリース記念イベントの様子
鼠先輩、東京・六本木で新曲のデジタルリリース記念イベントの様子
【写真】どこか懐かしい“白スーツにポーズ”を決める鼠先輩

 同郷のミュージシャン、甲本ヒロトに憧れていた鼠先輩。地元では友人と結成したバンドで『BSヤングバトル』(NHK・BS)の岡山大会で優勝するなど、根はゴリゴリのバンドマンだった。

「ロック歌手になりたかったんですけど、気がついたらパンチパーマで『ぽっぽぽっぽ』歌っていました。でも、これはこれでよかったのかなあって。これもひとつのロックの形だと僕は思っています」

 2008年に一躍ブレイクした鼠先輩には、殺人的なスケジュールの日々が待っていた。平日はテレビ局をはしごし、週末は営業に精を出し、その合間にはメディアの取材が挟み込まれた。

「でも、鼠先輩でデビューしたのは35歳になってからで、社会人も経験していたので、自分のブームについては『一過性のものだろうな』と、非常に冷静に捉えていました。舞い上がることもなかったし。そもそもこの格好で偉そうにしていたら、ただの嫌われ者ですよ(笑)」

山本譲二と交わした杯

鼠先輩(撮影/山田智絵)
鼠先輩(撮影/山田智絵)

 そのころから現在も、大変お世話になっている人物がいる。

「全盛のころ、地方でディナーショーをやらせていただく機会がありました。そこには、僕以外に山本譲二さん、鳥羽一郎さん、角川博さん、香西かおりさんという、大御所ばかりがそろわれていたんです。そんななか、スケジュールの都合で僕は最後に到着してしまったんですね。

 みなさんが集まっていらっしゃる場所に恐る恐る行くと、すでに譲二さんがワインでベロンベロンになっていて。そこで『初めまして、鼠先輩と申します』と挨拶したら、『おまえは一番後輩のくせに俺に“先輩”と呼ばせるのか!?』ってすごんできて、もう、生きた心地がしなくて、『いえいえ、僕のことは好きなように呼んでください!』としか言えませんでした(苦笑)。

 その後、高いワインを注がれて『飲め』『はい!』……って。それで杯を交わしたようなものです(笑)。そこからは『歌手とは』『芸能界とは』と深〜く教えていただきましたね。でも、その翌日にはケロッとされていて、お小遣いをくださいました。それからは何かと可愛がってくださっていて、今に至ります。

 今回の新曲のPRのクラウドファンディングにも、譲二さんから応援コメントをいただきました。男気もユーモアもあって、本当に尊敬する方です」