今後の選挙演説は“防弾ガラス”も検討か
秋山氏は「日本のSPは文武両道で優秀」としたうえで、
「SPができたきっかけは三木武夫元総理の時代に佐藤栄作元総理が亡くなったときに葬式が行われた際、右翼の人間が三木さんの元に走り、顔面を殴打したことに端を発します。当時は全国で生中継されていたこともあり、大騒ぎになったことがSPの成り立ちです。ですが、三木元総理の一件以降、日本は平和で大きな事件は起きなかった。言葉は良くないですが、体制として“平和ボケ”している部分もあったかとも思います」
今回の一件を受けて、要人の警備の見直しが図られると予想されるという。凶器は刃物だけでなく銃の可能性があることも視野にいれなくてはならない。
「今後、選挙演説といった聴衆との距離が近い場合は、所持品の検査や防弾ガラスを設置するといった対策がとらえる時代になってくるかもしれません。それほど前代未聞の事件だったといえるでしょう。
今後も模倣犯が出てくる可能性もありますから。早速警察庁は全国警察に対し、警護の体制を見直すよう通達をするのではないでしょうか。あってはならない国家に対するテロ行為なので早急に対策をとらなくてはなりません」
山上容疑者は安倍元首相を「狙って撃った」と供述しているという。岸田文雄総理は「卑劣な蛮行」と非難のコメントを出した。
《秋山博康 犯罪評論家・コメンテーター/防犯コンサルタント/ドラマ等の警察監修》
1979年 徳島県警察 採用
1984年 23歳の時刑事に初配属 殺人など重大事件を担当する本部捜査第一課
2000年「おい!小池」で有名な殺人指名手配の総指揮官で注目される
以後、「リーゼント刑事」のニックネームで 警察密着番組等メディアに多数出演 2021年 定年退職「刑事バカ一代」をモットーに犯罪コメンテーター等として活動中。得意分野は、殺人、強盗、強姦、放火、誘拐、立てこもり、窃盗等。