事件を受け、三次市教育委員会の迫田隆範教育長は、
「盗撮という極めて卑劣な行為によって被害を受け、尊厳を深く傷つけられた方、保護者の方に当時の服務監督者として心からおわびを申し上げます。二度とこうした事象を生起させないため再発防止に向けて教職員の指導を徹底します」
などとコメント。
三次市教委に、福原容疑者の女児への接し方について保護者から問題視する声が届いていないか確認すると、
「内容は言えませんが、福原容疑者の指導に対する保護者のご意見はゼロではない。校長を通じて何回か報告がありました」(三次市教委・教育指導係)
と歯切れが悪い。
そうした意見があったことを転任先の庄原市教委に伝達したか尋ねると、
「福原容疑者に限らず、転勤させる際には教諭の基本的な情報は転任先に申し伝えています。福原容疑者について、どのような話を伝えたかは言えません」(同係)
と曖昧だった。
一方、庄原市教委の牧原明人教育長は、
「教員が教室に小型カメラを隠して設置し、盗撮しようとする悪質で許せない行為に強い憤りを覚え、今後、二度とこうしたことが起きないよう、また、教員1人ひとりがその職責を深く自覚し、自らを厳しく律することができるよう、毎日の生活を見つめ直すとともに、さらに研修などを重ね指導の徹底をはかってまいります。また子どもたちの現状をしっかりと受け止めながら、心のケアにつとめ、確実に前に歩を進めるよう失った信頼を回復できる営み・実践を全力で努力してまいります」
とコメント。
庄原市教委に、福原容疑者の女児への過剰スキンシップ情報が三次市教委から伝わっているか尋ねると、
「福原容疑者の女児への接し方について、保護者から問題視する声があったとは聞いていませんでした」(庄原市教委・学事係)
と回答した。
学校側は、保護者と児童へ事件をどのように説明し、どういった声を受け止めたのか。
三次市教委は「保護者説明会は開きましたが内容は公表できません」(教育指導係)とし、児童への説明については有無も含めて答えられないとした。
庄原市教委は、
「逮捕当日、事件が報じられる前に緊急保護者会を開き、驚き、不安、怒りの声をいただいています。児童の理解度には幅があるため、低学年と高学年にわけて校長が事実を正確に伝え、丁寧に謝罪しました。児童は沈んだ表情ではありましたが、それぞれに理解してくれたと思っています」(学事係)
と答えた。
どれほど社会問題化しても、教師のわいせつ事案による逮捕例はあとを絶たない。福原容疑者は教え子を狙った点で悪質といえ、被害を防ぐ手立てはなかったか、学校側の検証が求められるところだろう。
地元の男性はこうつぶやく。
「たしかに教師の犯罪は目に余るが、教え子を盗撮しようとして3度も逮捕されては“魔が差した”では済まされない。道を踏み外したというよりも、犯罪行為をするために教師になったのではないかと疑いたくなる」
県警は余罪についても、さらに調べを進めている。