とはいえ、2010年にはキャンドルアーティストのキャンドル・ジュンと再婚。このときも授かり婚で、また、相手が全身にタトゥーを入れている人だったため、心配する声もあがった。それでも、夫婦生活は円満なようで、2015年には娘も誕生。広末は前夫との子である長男も含め、2男1女の母親となった。現夫は文字どおり、彼女の人生にキャンドルを灯したのだろう。
仕事面では、2008年に映画『おくりびと』がヒット。国際的にも高い評価を得た。
自分の中身がなくなる不安あった
ではなぜ、彼女は危機を乗り越えることができたのか。もともと、挫折を挫折と思わないような強い人だったわけだが、それでも運命に負ける人はいる。実は彼女、前出の番組でこんな発言をしていた。
「でも悩んだり、落ち込むタイプじゃないから、とにかく勉強して回避しようと思って」
また、同じく今年出演した『あさイチ』(NHK総合)でも、高校時代、哲学書を持ち歩いていたと回想。
「お仕事がすごく忙しくて。たくさんインタビューでお話しするなかで、アウトプットばかりしていてインプットしないと自分の中身がなくなっちゃうとか、そういう不安もあったんだと思うんですよね」
と、理由を明かした。
世間からは、大学進学を「早大ブランド」欲しさではと揶揄されたりしたが、ちゃんと勉強するつもりだったのだ。授業にもそれなりに出ていたことは、教育学部国語国文学科で同期だった芸人・小島よしおものちに証言している。『あさイチ』には大学時代にできたという女友達も3人、VTRで登場していた。
ちなみに、この学科を選んだのは、ボキャブラリー不足を痛感したからのようだ。当時、彼女が書いた文章(林真理子の小説『東京デザート物語』の解説)にも、自分の言葉選びが「すごく」や「とっても」ばかりで「バカっぽい」と自嘲する部分がある。
思わず「紅白」でも歌ったセカンドシングル『大スキ!』のサビを思い出したが、作詞した岡本真夜は広末の言動からヒントを得たのだろうか。
それはさておき、哲学者のソクラテスが「無知の知」を説いたように、知らないことを自覚するのは大事なことだ。そして、何かを学ぶことで、解決方法を探し、乗り越えようとする姿勢が、もともと強い人をさらに強くしたのだろう。