次の“デート”は休日の公園のベンチでお弁当を食べて、犬の散歩に来た人とおしゃべりをした後、裕美さんの近所の地域イベントに一緒に行った。裕美さん自身、それまでしたことのない庶民的なデートは新鮮だった。3回目のデートの後に「付き合ってほしい」と告白されたときは素直に「うん」と笑顔でうなずいたという。

「あのとき“これまでどんな女性と付き合ってきたの”と聞くべきでした。後悔しても遅いですけど」

 恋愛対象ではなかったはずが、付き合ってからは裕美さんのほうが夢中になってしまったという。彼は女性のあしらい方がうまく、ある意味“才能”だと気づいたときには、すっかり虜になっていた。

付き合って1年目ぐらいに、彼の周囲に女性の影がちらついたんです。すると彼と同じ職場で働く共通の友人が、彼がほかの複数の女性とデートしている様子がSNSでアップされていると教えてくれました。彼に問いただすと“仕事先の女性から誘われてご飯に行っただけ。仕事の延長”と軽くスルーされたんです。

 彼の営業成績が順調らしいこともあって、うるさい女と思われたくなかったので、我慢しました。でもある日、知らない女性から、彼とその女性のツーショット写真がSNSで送られてきたんです。女性はスリップ姿、彼が上半身裸で、いちゃいちゃしていて……

「誘われるままに応じる男」元カノの忠告

 女性からその後連絡がなかったので、写真を送りつけてきた真意を知るため、自分から「会いましょう」と呼びかけた。

「実際に会ってみたら、彼の元カノで、写真は付き合っていたころのものでした。嫌がらせ目的かなと警戒したら、元カノは彼の浮気性が原因で別れたと打ち明けてくれたんです。

 彼女は、彼が複数の女性たちとデートしていることをSNSで知っていました。またSNSから彼の今の本命が私だということがわかり、過去の自分を重ね合わせてしまい、ついカッとなって写真を送りつけたのだと。浮気癖が直ってないことにムカムカしたとかで……」

 さらに元カノは「彼は女性に誘われるままに応じる男」だと忠告してきた。だが裕美さんはきっぱりと「私が更生させます」とひるまなかったという。

「そのころは結婚は彼以外に考えられませんでした。彼の浮気癖を知る友達たちから別れるように説得されたんですけど、反対されればされるほど、彼にのめり込んでしまいました」