やせてきたのはドッグフードのせい!?

 小型犬や老犬には、あまり散歩は必要ないと思っている飼い主も多いようだが、本当のところは?

「健康状態がよければ、ほとんどの犬は少なくとも1日30分以上、場合によってはもっと多くの散歩をすることができるし、必要なのです」

 インターネットなどに書かれている散歩の時間や距離は、あくまでも目安ととらえるべき。

「どれくらいの散歩で満足するかは、犬によって違います。小型犬でも1時間歩く子もいます。人間だって、ずっと室内にいたら足腰が弱ってしまいますし、ストレスもたまります。犬も同じで、外の空気を吸って、さまざまな刺激を受けることはとても重要です」

散歩をすることにより全身で刺激を受けると、認知症防止につながる。外に出て日光を浴びることで、体内リズムも整う(写真はイメージです)
散歩をすることにより全身で刺激を受けると、認知症防止につながる。外に出て日光を浴びることで、体内リズムも整う(写真はイメージです)
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 飼い主とアイコンタクトをし、コミュニケーションをとりながら一緒に歩くことも大事。

「そんな散歩は犬にとっても楽しいはずです。ただ歩いて帰ってくるだけでは寂しいもの。散歩を義務とせず、飼い主さんもぜひ一緒に楽しんでほしいと思います」

 そして健康にもっとも直結するのが毎日の食事だ。ドッグフードの多くは年齢によって分けられている。シニア用のフードもたくさんあるが、年齢だけで、フードを切り替えることには慎重になるべきだと長谷川さんは言う。

年齢だけでフードを切り替えることには慎重になるべきだ(写真はイメージです)
年齢だけでフードを切り替えることには慎重になるべきだ(写真はイメージです)

「シニア用ドッグフードの多くは、タンパク質や脂肪分がカットされています。シニアになると活動量が減るから、というのがその理由です」

 一般に、8歳ごろがシニアへの転換期といわれているが、安易にシニア用フードに替えたため、油分が足りずに毛ヅヤが悪くなる、タンパク質不足でやせてくるといったことがあるという。

「飼い主さんのなかには、シニア用フードによってやせているのに、『年をとってきたからやせたのだろう』と勘違いする人もいます。

 シニアであろうと元気なら、フードを替えたり、食事量を減らしたりする必要はありません。年齢で判断せず、目の前のワンちゃんの様子をしっかり見て判断しましょう