婚活男性が求める「普通の女性」も婚活市場に存在しない

 一方、婚活男性が求める「普通の女性」というのも、似たり寄ったり。いろいろな婚活サイトの情報などを総合すると、

・乃木坂46の誰か、とはいわないまでも乃木坂のような清楚感がある(高畑充希、水卜麻美アナの名を挙げるサイトも)
・身長は150cm~165cm
・化粧が薄い
・共働きしてくれる(ただし自分より年収が高いと尻込みする)

 要はまず派手めは困り、その上で可愛いほど歓迎ということなのだろう。

 また、多くの婚活男性は結婚相手にさらに2つの条件を求めている。

 1つ目は家事で、とくに料理。 掃除、洗濯は家電が進化したこともあり、男性でもやりこなせるようになりつつある。でも、やはり料理は簡単には身につかないし、作るのも面倒だ。 一人暮らしだとついつい、外食やコンビニで済ましてしまい、栄養が偏りがち。そこで、愛情のこもった妻の家庭料理が食べたいという。

 共働きが必須なのに、料理は作ってもらいたいというのはある意味矛盾する条件といえるだろう。

 2つ目は年齢。 結婚相手には20代の女性を求めていて、せいぜい32歳までが限界だという。 これは同年代だけではなく、できるかどうかは別として、30代~50代の男性全てが結婚相手に20代女性を求めているのだ。 30歳を過ぎたら。女はアウトということらしい。

 その理由は女性の出産できる年齢制限が関係している。 35歳以上が初めて出産すると高齢出産と定められ、出産のリスクが上がる。35歳までに出会って、交際、結婚、妊娠、出産を済まさないといけないので32歳が限界だというのだ。

普通の人でいいのに!」の主人公は33歳で、とっくにその基準からは外れていた。

 しかし、現実はそうはいかない。現実のデータでは多くの婚活男性の夢をくじく、厳しい結果が出ている。大手マッチングアプリとニッセイが共同で行ったアンケートによると、現実に婚活男性が20代女性と結婚できる確率は30歳前後でどんどん下がっていき、30代だと24.2%、40代では1.5%、50代が0.08%。

 対象年齢を20代女性に絞っていると、ずっと結婚できないままということに……。男性も女性も、思い描く「普通」と現実の「普通」とが乖離する限り、いつまでも結婚相手が見つからないことになりそうだ。 その前にはまず「普通の人との普通の出会い」というものが幻想であることを理解する必要がある。

 そして、目の前の人に向き合っていく、良さを見つけていくことから始めるしかないのかもしれない。