働けば働くほどストレスが軽くなった
20代といえばまだまだ遊びたい盛り。けれどもくらまさんは、節約を始めてからは一切遊んでいない。24時間365日を貯蓄のために過ごしている。何を目標に節約・貯金に取り組んできたのだろうか。
「一番は“心の平穏”です。人間が抱えるすべての悩みはお金に直結するものがほとんどで、お金があれば、さまざまな悩みがフラットになると思ってます。実際ぼくも、借金があるときは不安がつきまとい、仕事でストレスがかかると過剰にメンタルが傷ついていました。でも今はさらっと受け流せる。心の余裕が生まれているんです」
多くの人は働けば働くほどストレスを感じるが、くらまさんは逆。
「働いて貯金が増えれば増えるほど自信がつく。仕事でストレスがかかっても『俺には2000万円がある』と思うと、笑顔でいられる。心が平穏なことは一番の贅沢です」
なんとも突き抜けたやり方と強靱な精神力は、熟年世代には「とてもまねできない」と尻込みしてしまうが……。
少ない年金だけでも暮らせる体質づくりを
「50代以降こそ絶好の貯めどきです。子育てが一段落し住宅ローンの支払いも終わりに近づいて、今後の出費の見通しがつきやすいからです。両親も貯金はほぼゼロでしたが、僕のユーチューブを見て一念発起し、数年で1000万円貯めました」
くらまさんの両親は52歳で共働き。夫婦でお互いの収入すら知らないというほどお金に無頓着だったそう。貯める意識がゼロに等しかったが、くらまさんのアドバイスもありマネープランを家族全員で真剣に話し合ったという。
「どういう老後を迎えたいのか、そのためにいくら必要なのか……。具体的な数字が出たら、あとはその数字を達成するために日々行動するだけです。少ない生活費でも暮らせるようになれば、少ない年金額でもまかなえるとわかり、老後不安はかなり消えるはず。65歳まで働いて本気で倹約に努めれば、必ずまとまった額が貯められますよ」
マネープランを考えるときはできれば子どもを巻き込むといい。若い世代のほうがネット証券の活用法など、資産運用についての情報が豊富なことが多いからだ。また親の老後問題は子どもの問題でもある。
以降は、くらまさんの節約の極意についてひもとく。究極の節約マインドは、すべてまねできなくとも、役立つエッセンスが詰まっているはずだ。
貯まる考え方と行動を身につけ“お金は増えて当たり前”の状態に
「貯金したいなら、生活レベルを下げるべし」とくらまさん。
「自分が許せる生活レベルを下げれば、稼がないといけない金額が下がるから、心にゆとりが生まれます。つらい仕事を無理に頑張る必要もないし、少ない年金でも大丈夫。僕も生活費を極限まで下げた今、怖いものはないです(笑)」
確かに月に5万円で十分暮らせるなら、どんなに収入が減ろうが生活が破綻する可能性は低い。そんな自信が身につく究極の節約スキルの中から、最も重要な10の極意を教えてもらった。