“チームのために”コムドット最大の危機を乗り越えて
しかし、そんなやまとにも自信が揺らぎかねない、大きな逆境の瞬間もあった。
「YouTubeを始めた当初は、自信満々に“敵無し”だと、絶対に売れると思ってたんです。けど、そう甘くはなくて。僕は、地元の友達を日本一かっこいいと思っていてコムドットを結成したわけですが、この業界は無名なものを(人が認める)価値に昇華して提供することって難しいんです。人からは無価値と思われているけど僕は価値を感じている。それをどうやったら世の中にも感じてもらえるかをすごく考えました」
親や友達は応援してくれたが、無謀な挑戦と見る人もいただろう。そうした中、メンバーたちは大学を辞めたり、就職を蹴ったりして、YouTubeに人生を懸けていた。
「売れなかったら大変なことになる」
現実的なことを考えたら恐怖に全身が覆われるような感覚があったという。
「今振り返っても、あのときの恐怖、不安感ほど大きいものはなくて。それに比べたらその後の苦労なんかは、全然大したことないです。
僕には(うまくいく)自信があったんですけど、つねに自信があるように振る舞って、誰も不安にさせないっていうことは、すごく意識していましたね」
コムドットはYouTuberとして初めてTikTokを活用して、切り抜き動画からYouTubeへの流入へとつなげるなど、SNS戦略を重点的に強化していった。
メンバーにはファッション番長、特攻隊長、バグ担当などと、それぞれの強みを打ち出し、うそのないリアルな姿を映し出すことにもこだわった。タイトル、サムネイルなど、どんな企画なら反応するのかトライ&エラーを繰り返し、毎日配信を続けてきた。
ひたすら繰り返す中で、動画の再生数は爆発的に拡大。コムドットが2周年を迎える頃には、株式会社を設立するまでに成長。現在、やまとは代表取締役社長として社員を雇い、動画制作からアパレルブランドの運営まで、事業領域を広げている。