自分の“ルーツ”屋久島への恩返し
16年前、GETTAMANは、屋久島に『屋久島フィットネスセンター』を設立した。敷地は600坪。56機種のトレーニングマシン機器を置いた本格的な施設だ。
「自分は屋久島では、自然とばかり関わっていた。だから、屋久島の人に関わる仕事をしようと思ったんです。で、テーマを3つ決めた。
1つ目は、利用者は島の会員さんのみにして観光産業には属さない。2つ目が儲(もう)けない。3つ目は自分が前に出ないこと」
GETTAMANは、16年前からこのセンターで、毎月3泊4日で島民ケアを行っている。島じゅうから看護師、議員、漁師などさまざまな人が身体の悩みを抱えて相談にやってくる。それをひとりひとり彼は訊(き)いてあげるのだ。
「朝の9時から夜の11時まで、全然休めない。着替えるのも飛行機の中。そこで、自分自身に何が大切かを、屋久島の人たちと触れ合う機会を得て、やっと理解できるようになっていったんですね」
屋久島、NTT、ハワイ──。すべてがGETTAMANが誕生するために必要な場所だった。
[空から鳥の目で俯瞰して眺め、大地から虫の目で物事を覗き込む──]
GETTAMANは、屋久島が教えてくれたというこの言葉を何度も口にした。今年の年末もGETTAMANはハワイへ飛ぶ。世界中に健康を届けるために。そして帰ってきたら、次は日本を健康にする日々がまた始まるのだ。
〈取材・文/小泉カツミ〉
こいずみ・かつみ ●ノンフィクションライター。芸能から社会問題まで幅広い分野を手がけ、著名人インタビューにも定評がある。『産めない母と産みの母~代理母出産という選択』『崑ちゃん』(大村崑と共著)『吉永小百合 私の生き方』ほか著書多数