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ー 「だったら原作権を引き揚げる!」

 幕切れは突然だった――。

「清原果耶さん主演の日本テレビ系連続ドラマ『霊媒探偵・城塚(じょうづか)翡翠(ひすい)』が、11月13日の第5話で最終回を迎えたのです」(テレビ誌ライター)

 物語は霊媒師を名乗る女性(清原)と、ミステリー作家(瀬戸康史)が、殺人事件を解決していくミステリードラマ。しかし、第5話で最後とは、打ち切りなのか?

「それが終了というわけではありませんでした。詳しい理由はネタバレになるので言えませんが、要は物語はまだ続くということ。11月20日からは同じ主人公の新ドラマがスタートしています。今度は『古畑任三郎』のように最初から犯人が誰か分かった状態で、推理によって事件を解決していく形式のドラマになりました」(同・テレビ誌ライター)

 新聞やテレビの番組表には、5話のところに【終】マークがハッキリ記してあったが、こんな凝った“演出”も珍しい。

ドラマの原作者は、人気ミステリー作家の中でも今をときめく売れっ子です。だからこそ局側も話題づくりを狙った部分があったのでは」(文芸誌編集者)

 原作者は'09年に作家デビューした相沢沙呼(さこ)という男性。'19年に刊行された今回のドラマ原作が大ヒット。同作はミステリー小説のブック・ランキング『このミステリーがすごい!』や『本格ミステリ・ベスト10』などで1位を獲得した人気作だ。

「相沢さんはSNSで《4話の脚本を丸々書いた》と明かし、エンドロールにも“脚本協力”として相沢さんの名前が入っています。最終話となった第5話では、第1話からのすべての伏線を回収する衝撃の展開に、SNSでは称賛の声があがっていました」(前出・テレビ誌ライター)

『霊媒探偵・城塚翡翠』(左)、『invert城塚翡翠倒叙集』(公式インスタグラムより)
『霊媒探偵・城塚翡翠』(左)、『invert城塚翡翠倒叙集』(公式インスタグラムより)

 その一方で、知られざる制作側の苦労もあったという。

「だったら原作権を引き揚げる!」

「もともと脚本家として内定していたのは、TBS系ドラマ『グランメゾン東京』や『マイファミリー』などを担当したベテラン脚本家の黒岩勉さんでした。ですが、相沢さんが黒岩さんの書いた脚本に不満があったのか、さんざん口出しをしてきたそうなんです。それが続いたため、最終的には黒岩さんも“やってられない!”と降りてしまって……」(制作会社関係者)

 なんとか新たな脚本家を立てたはいいが、さらに問題は深くなっていったそう。

「相沢さんの要求が日に日に強くなっていって……。日テレ側も“さすがにそれは難しい”と伝えたら、相沢さんは“だったら原作権を引き揚げる!”ということもあったそう。プロデューサーも、トラブルになったことを局の上層部に共有しなかったため、結果的に相沢さんの要求をすべて受け入れることに。制作現場はそうとう疲弊していました」(同・前)

 黒岩氏の降板について日本テレビに問い合わせたが、

「番組の制作過程の詳細に関してはお答えしておりません」

 とのことだった。もしかしたら、このトラブルも伏線だったりする!?