番外編
ちむどんどん反省会ハッシュタグ
'22年は炎上によって、想定外の盛り上がりが生まれた例もある。今年4月から9月に放送されたNHKの朝ドラ『ちむどんどん』の脚本にツッコミを入れる投稿だ。
「ハッシュタグが盛り上がっていたので、つい毎回見てしまった」(74歳・女性・三重県)、「あそこヘンだよね〜!と友達と一緒に盛り上がれた」(36歳・女性・福島県)。ドラマとSNSをセットで楽しんだという声が多かった。
「昨今、テレビとネットの同時視聴を楽しんだり番組の感想を投稿し合って盛り上がることを楽しみにしている人が増えてきています。ドラマについて視聴者がSNSで盛り上がった『ちむどんどん』は、本当に今の時代を象徴するような作品ではないかと思います」(後藤氏)
『ちむどんどん』の公式アカウントのコメント欄はほのぼのとしているし、ドラマのファンだった人も多かったのでは、と後藤氏。ツッコみながらSNSで盛り上がることによってネットメディアが取り上げ、話題性を生み視聴率が上がるので、メリットになることもある。
小木曽氏も後藤氏も今後ますますデジタルデータによって隠し事ができない社会になっていくと声をそろえる。
「PCやスマホがどんどん高性能化されていますから、やがて見たものすべてが記録される時代がやってくると思っています。隠したいものこそどこかで記録されそれがネットで暴露される時代だと思って行動したほうがいい」(小木曽氏)
「匿名だから大丈夫というのは大間違い。処罰も厳罰化していますから、受け取る相手の立場になってみる想像力を働かせてほしい」(後藤氏)
絶対バレない、というものは今やないと思っていいのだろう。火種の大小にかかわらず炎上はするということを肝に銘じたい。
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小木曽健(おぎそ・けん)●国際大学GLOCOM客員研究員。青山学院大学経済学部卒。IT企業現職。著書に『今日から使える企業のSNS危機管理マニュアル』(晶文社)、『13歳からのネットのルール』(メイツユニバーサルコンテンツ)、『ネットで勝つ情報リテラシー』(ちくま新書)など。
後藤真理恵(ごとう・まりえ)●一般社団法人SNSエキスパート協会代表理事。東京大学文学部卒。「SNSエキスパート検定」の実施や、企業・自治体での講演等を通じ、SNSを効果的・安全に活用できる人材の育成に努める。著書に『SNSマーケティングはじめの一歩』(技術評論社)など。