3月28日、プロフィギュアスケーターの浅田真央が、通年スケートリンク『MAO RINK』の建設を発表した。
「建設予定地である東京の立川市で行われた会見に登場した浅田さんは、“スケートリンクを作るのは長年の夢だった”と、その思いを明かしました。2024年秋のオープンを予定しており、国際規格のメインリンクだけでなく、サブリンクやトレーニング室、レストランやギャラリーなども併設されます」(スポーツ紙記者)
リンクでは、アイスショーやスケート教室も行われる予定だ。
「トップスケーターを育てるための“アカデミー”も開くそうです。浅田さん自身も指導に携わり、世界に飛び立つスケーターを育てる一翼を担います。数十億円かかるという総工費の大半は、土地を提供する『立飛ホールディングス』が負担するようです」(同・スポーツ紙記者)
日本のフィギュア界をけん引してきた浅田の新たな挑戦に、
《選手の未来を考える心のこもった計画に感動しました》
《真央リンク、想像の何倍も凄くて本当にすごい人》
などと、ネット上では称賛の声が相次いでいる。
しかし、スケートリンクの運営は簡単なことではない。
「氷を張る必要がありますから、維持費だけでも年間で億単位の額がかかると言われています。そのため、2021年には東京の高田馬場で40年以上の歴史があった『シチズンプラザ』が閉鎖されるなど、スケートリンクは減少傾向にあるのです」(フィギュアスケート関係者)
“夏”と“冬”という違いはあるが、2021年に開催された東京五輪のために作られた会場は“負の遺産”と化している。
「約1500億円をかけて建設された『新国立競技場』は利用数が非常に少ないのが現状です。そのため、使用料による収入にはあまり期待できません。にもかかわらず、年間24億円の維持費がかかっていますから……」(スポーツライター)
羽生結弦はリンク設営に消極的
昨年7月にプロ転向した羽生結弦は、スポーツ紙のインタビューで自身のリンクを作る意向を聞かれると、こう答えている。
《まあ、それはなしで、はい(笑い)。やっぱり正直難しいので、そんなに簡単にリンクって造れないですから…》(2022年8月12日『東スポWEB』より)
幼いころから練習拠点の閉鎖に悩まされてきた羽生だからこそ、リンク運営の“現実”が身に染みているのだろう。
「フィギュア界の未来を考えると『MAO RINK』の成功を祈りたい気持ちは山々です。しかし、そう簡単にいかないのではないでしょうか。一般滑走の使用料とスケート教室が主な収入源となることが多いですが、浅田さんや羽生さんといったスター選手が“プロ”に転向した今、フィギュアスケート自体への注目度が落ち着いてしまい、広く一般層を取り込むことは難しい可能性がありますから。もちろん、浅田さんもわかっているとは思いますが……」(前出・フィギュアスケート関係者)
『MAO RINK』から、未来のメダリストが生まれることを祈りたい。