元祖LGBTQタレント、ニューハーフ界のビッグボス……さまざまな異名をとるレジェンド・カルーセル麻紀(80)。彼女は30歳のときにモロッコで性転換手術を受け、『性同一性障害者特例法』が施行された2004年7月10日に、戸籍上も「平原麻紀」と、女性として生まれ変わった。目まぐるしく変化する彼女の日々は、まるで高速で回る回転木馬(カルーゼル)のよう……!
そこで今回は、戸籍上の女性として“ハタチ”を迎える彼女に、女性になってからの19年や美と健康の秘訣、そしてカルーセル麻紀のこれからの生き方について、たっぷり話を聞いた。
カルーセル麻紀のこれまでとこれから
「戸籍を変えたメリットは、気兼ねなく海外に行けるようになったことね。19歳のときに初めてハワイに行ったときは、パスポートの性別は男のままでワンピースを着て、女優帽をかぶっていたんだけど、入国審査で止められたんです。そのまま病院の精神科に連れていかれて真っ裸にされたのは、本当に屈辱だったわ」
その後「私は男です」と書かれた札を身につけるように指導され、一週間のみの滞在が許された。
「まあ、私はそんな札を下げなかったけどね! でも、現地のゲイバーに行くと私と同じような子たちが『私たちはこれを下げずに外を歩くと捕まるのよ』と嘆いていました。今のアメリカの状況からは考えられないほど、性的マイノリティーに厳しい国でしたね」
そのほかの国でも、パスポートの性別が「Male」であるために、入国審査で何度ももめたという。
「私の愛するフランスは、当時からトラベスティ(異性装者)に寛容な国だったので、まったく問題なく入国できていたの。だから、性別なんてどっちでもよかったけど、ほかの国にも行きたいし、いろいろな国の殿方と出会いたいでしょ。戸籍の性別を変えるのは本当に大変だったけど、自由に世界を飛び回れるようになってよかったと思っています」
実は以前、週刊女性に登場した際に“飛行機内でも殿方と睦言を交わした”と大暴露してくれたカルーセル。空の上も重要な社交場なのだ。