反感を買っても貫いた意志
さらに、スポーツ競技についても指摘。
「トランスの方が競技に出て、圧勝するといった話題もありますよね。これもアメリカの話ですが、ずっと練習に励んできた女の子が、優勝する実力はあるのに大会では1位と2位をトランス女性が獲得して、奨学金を得る機会も失ったりしたという話も。それを聞いて、真剣に頑張ってきた女の子がかわいそうだなと思ったんですね」
身体的には異性のアスリートが参加する場合は、公平性に疑問の声も上がっている。そして、偽装による猥褻行為が増えるのではと心配もする。
「性的な興味がないと油断させて女性たちに近づき、覗きをするなどといったニュースも見かけます。本当に気持ち悪い。日本でもこんなことが起きたら女性だったら怖いと思うんです」
女性の立場を考え、現時点では問題が多いと語る。ただ、楽しんごはトランスジェンダーだけでなく、B(バイセクシャル)に対しても違和感を覚えることを明かす。
「男が男のことを好きということや、女性が女性を好きというのもわかりますが、どちらも好きというのはどうなのかと思ってしまうことも。知り合いのゲイたちの中でも、どっちつかずで中途半端だと、バイセクシャルをイメージする人は少なくありません」
一方で、バイセクシャルの人はゲイやレズビアンの人には事実をカミングアウトできないという理由で、ゲイやレズビアンと偽って、バイセクシャルであることは隠している、というケースもあるよう。
だが、こうした発言をすると、当事者の人たちからは反感を買うのでは?
「嫌われると思ったんですが、『しんごちゃんすごいね』と言ってくれる人は多くいました。僕は男性として生きているし、男が好き。バイセクシャルのことはわからないですし、トランスジェンダーのことも完全に理解しようというのは無理なことなのかもしれません。LGBTと一括りにする言葉も違和感があるし、一人歩きしているところがある」
しかし、それぞれの性自認を差別しているというわけではないという。楽しんごは『LGBTQ+イコール』という横浜で新しく立ち上がる団体をアンバサダーとなり支持している。
「昔に比べて、ゲイは受け入れてもらえるようになったけど、性的マイノリティの種類はさらに増えていて、当事者といわれる僕でもわからない部分はある。けど、応援はしているんです。僕も小学校や中学校で、『オカマ』と暴力やいじめを相当受けていました。どうにか、それを乗り越えてきたけど、昨今の若い人たちを見ていると、メンタルはさらに弱く思えるから……」
ちなみに、ツイッターで「入籍することになりました」とつぶやき、それがフォロワーの間で騒がれたが、この発言の真相は? やはり冗談?
「はい(笑)。結婚する知り合いから『しんごちゃん、証人になってください』と言われたんですが、次の日がエープリルフールだったので、ネタにしていいか確認したところ、いいよと。あんなにバズるとは思いませんでした」
同性婚はまだ難しい状況だが、楽しんごが本当に結婚届を出す日が来るのか。