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ー 「ルビーレッド」という新しい品種のキウイを開発

 2021年に、女性誌『GLOW』(宝島社)に付録としてキャラクターをあしらったポーチをつけたところ、“即完売”という大反響を巻き起こした「キウイブラザーズ」。

 キウイフルーツの輸入販売会社ゼスプリのイメージキャラクターだが、何軒はしごしてもポーチの付録を手に入れられない人が続出し、フリマアプリ「メルカリ」では一時、雑誌価格の14倍以上という値段がつけられた。ゼスプリの公式ツイッターでは「予約やお店で手に入らず、悲しい思いをさせてしまいごめんなさい」とお詫びコメントも。

 そのこともあってか、再びキウイブラザーズの付録がつく『GLOW』2023年9月号は、発売から3か月前の4月下旬に、5日間限定で先行予約を受け付けた(好評につき、5/8(月)~5/12(金)まで2次先行予約を実施 ※5月8日追記)。前回のような品切れや転売を少しでも防ぐためなのだろう。

 キウイブラザーズの人気はゼスプリのキウイフルーツの売り上げ増にも貢献していて、キャラクターが生まれる前の2015年と比べて約1.5倍になったという。そういった背景を意識してだろう、今回の付録は、果物を刺して口に運ぶためのフルーツピック。前回のポーチに比べると、実際にキウイを食べることを意識していることがわかる。

 ちなみに、今回も前回と同じように、グリーンとゴールドという2種類のキャラクターが付録としてついてくるのだが、実は、キウイブラザーズにはもう1種類いる。

「まだテレビCMなどでお披露目はしていないので、知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、『レッド』というキャラクターがキウイブラザーズに新たに加わりました」(ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社 PRマネージャー 栗田麻衣子さん、以下同)

 レッドはグリーンとゴールドの妹的な存在で、去年、新加入したという。レッドとは何者なのか。

「ルビーレッド」という新しい品種のキウイを開発

 キウイブラザーズのグリーンとゴールドは、それぞれ、ゼスプリ グリーンキウイとゼスプリ サンゴールドキウイというゼスプリが開発したキウイフルーツがモチーフになっている。新加入のレッドのモチーフはというと、ゼスプリ ルビーレッドという新しい品種のキウイだ。

ゼスプリのキウイ。左からグリーン、ルビーレッド、サンゴールド
ゼスプリのキウイ。左からグリーン、ルビーレッド、サンゴールド

「ゼスプリ ルビーレッドはその名の通り、果肉が赤い品種のキウイフルーツです。グリーンやサンゴールドと比べると小ぶりな品種で、アントシアニンやビタミンCが含まれています。味は、熟したベリーのような上品な甘さが特長です」

 日本では2020年から一部でテスト販売され、去年、本格的に販売スタートした。このルビーレッド、なんと、開発に20年以上かかったというから驚きだ。ゼスプリはキウイの新品種の開発に力を入れていて、品種開発のためだけに年間約20億円の予算をあてているという。ニュージーランドでキウイの研究開発を行っている「キウイフルーツブリーディングセンター」のサラ・ヒッキーさんに話を聞いた。

「ルビーレッドは20年以上の歳月が開発にかかりましたが、それでもいいほうです。というのも、この30年で30万種以上のキウイを研究しましたが、商品化できたのは、スウィートグリーンとサンゴールドとルビーレッドのたった3つだけですから。ほとんどは開発の途中で脱落してしまうのです」

 新品種として認められるためには、生産者、消費者、サプライチェーンという3点すべてが“ハッピー”になる必要がある。なかには、味は抜群においしいが、果実がすぐに木から落ちてしまうという生産者泣かせだったため、開発が中止された品種もあったという。

「ルビーレッドも宝石のような赤い色を出すのがとても難しかったです。いまでも、すべての果肉がきれいな赤になるとは限らないので、改良のために現在も研究を続けています」(サラ・ヒッキーさん)

 ルビーレッドは、今年は4月上旬から5月上旬ごろまで販売される予定。期間限定の貴重なレッドだが、グリーンやゴールドのように、ぬいぐるみやフィギュアなどのグッズが出る予定はないのだろうか。

「キウイブラザーズのレッドのグッズ展開は、検討中です」(前出・栗田さん)

 いつかグッズになることを願いつつ、店頭で見かけたら食べてみてはどうだろう。

※ゼスプリ ルビーレッドは、全国のスーパーマーケットや青果店などで販売中。店舗によりお取り扱いのない場合あり。また、数量がなくなり次第販売終了となり、予定より早めに販売終了となる場合も。