寿命を5年延ばす「野菜」
「日本人は野菜が不足しがち。積極的にとりましょう」(上月先生)。長寿につながる栄養が豊富なものや、おすすめのとり方を紹介。
赤ピーマン
糖尿病や動脈硬化など、寿命を縮める病気を招く活性酸素。それを取り除く抗酸化物質のひとつがビタミンCだ。健康で長生きしたいなら見逃せない栄養素だが、日本人は不足している。
「そのビタミンCが豊富な野菜第1位は赤ピーマンです。次点が黄ピーマン。彩りに一品加えて栄養満点に!」(森下さん)
ブロッコリー
ビタミンCが豊富な野菜第3位はブロッコリー。他にもクロロフィル、カロテノイド、ビタミンEなどの抗酸化物質を含有する。
「アスリートでもブロッコリーの栄養に注目している人は多いです。見逃せないのは、タンパク質の代謝を促すビタミンB6を含むこと」と森下さん。
茎にもビタミンCや葉酸が含まれるので捨てないで。
レインボーサラダ
「日本人の1日の推奨野菜摂取量は350g。色が濃く栄養価が高い緑黄色野菜を1、食物繊維やビタミンCが豊富な淡色野菜を2の割合が理想」と上月先生。組み合わせに迷う場合に森下さんが提案するのが「レインボーサラダ」だ。
「野菜は色により、含まれる栄養素が異なります。『トマト(赤)、ブロッコリー(緑)、大根(白)、黄ピーマン』といった具合に、色とりどりにすると栄養も幅広くとれます」
寿命を5年延ばす「きのこ・海藻」
「腸内環境を整える食物繊維は、腎臓の健康維持のためにも見逃せない食材」(上月先生)。なかでも優秀なものは?
もずく酢
「腸内フローラが乱れ、便秘になると腎臓にも悪影響があります」と上月先生。そこで摂取したいのが食物繊維だ。なかでももずくは、糖や脂肪の吸収を緩やかにする水溶性食物繊維と、高血圧を予防するのに欠かせないカルシウムも含有する。
「ネバネバ食材は胃腸内の移動に時間がかかり、お腹がすきにくい長所もあります」(森下さん)
まいたけ
「きのこ類は腸を刺激し、便秘を防ぐ不溶性食物繊維が豊富。だしも出るのでおいしく減塩ができます」と上月先生。
森下さんのおすすめはまいたけだ。「血糖値の急上昇を抑える食物繊維がとれ、免疫を司るβ-グルカンやビタミンDなど栄養がたくさん含まれています」
きくらげ
きくらげはきのこの中でも特に鉄分を多く含む。「ビタミンDの含有量がトップクラスなのも見逃せません」と森下さん。
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進するため、不足すると骨粗鬆症、ひいてはフレイルに。自分の足で歩ける寿命を延ばしたいなら見逃せない食材。
上月先生イチオシの調味料は「ラー油」
塩分を控えつつ、味にメリハリをつけるために上月先生が愛用しているのが「ラー油」だ。「冷ややっこにしょうゆ代わりにかけます。山椒入りも風味が出ていいですね」と上月先生。ただし、具材がたっぷり入った“おかずラー油”は塩分が高いのでNG。
「食事の最初に辛いものを食べると、誤嚥を防止するという研究結果もあります」(上月先生)。辛いものが、嚥下に関わる反射に作用する体内物質の分泌を促進してくれる。健康長寿のために、ぜひ定番調味料に。