寿命を5年延ばす「炭水化物」

 糖質が多い炭水化物。「白米以外においしく手軽に食べられ、血糖値の上昇も緩やかな食品に置きかえを」(上月先生)

もち麦

 食後の血糖値急上昇を抑えることは、血管年齢を若々しく保つ要だ。「白米や小麦粉など『白いものほど血糖値が上がりやすい』が基本です」と上月先生。

「玄米よりもおいしくて食べやすく、ご飯に混ぜて炊くだけなので手軽」と森下さんがすすめるのが、粘り性のある「もち麦」。

 白米に比べて水溶性食物繊維が豊富で、糖の吸収を緩やかにする。炭水化物の中ではタンパク質が多く、体内のホルモンや酵素をつくる。

オートミール

オートミール ※画像はイメージです
オートミール ※画像はイメージです

 オーツ麦を加工したオートミールは、白米と比較すると1食あたりのタンパク質とビタミン、マグネシウムや鉄などのミネラル、食物繊維量が多い。「特にマグネシウムは神経や筋肉の機能維持には不可欠です」(森下さん)

 水溶性食物繊維は、血糖値の急上昇も抑えてくれる。「炊かなくていい手軽さが魅力。朝食など忙しいときに取り入れて」(森下さん)

豚汁

 森下さんはみそ汁の魅力について、「大豆を発酵させたみそには抗酸化物質が豊富」と語る。

 一方、上月先生は「塩分量を考え、みそ汁は1日1杯。自家製だしを使って具だくさんの食べるみそ汁に」。食物繊維豊富なごぼうなどの根菜、肉のタンパク質もとれる豚汁がおすすめ。

緑茶

緑茶 ※画像はイメージです
緑茶 ※画像はイメージです

 動脈硬化を引き起こす活性酸素を取り除く、抗酸化ポリフェノールが豊富なのが緑茶。「緑茶のカテキンは糖の吸収を穏やかにするので、腎臓の健康の敵、高血糖を遠ざけてくれますよ」(上月先生)。食後の飲み物にはぜひ緑茶を。

焼き梅干し

 森下さんのイチオシ食材は、焼き梅干し。「梅干しは表面を焼くことでバニリンという脂肪燃焼にまつわる栄養素がアップします。ただし塩分が多いので、少量をたたいて他の食材とあえ、調味料代わりに」(森下さん)。

「蜂蜜入りの梅干しは糖質が多いので避けましょう」(上月先生)。肥満を遠ざけることも、寿命を延ばすためには重要だ。

コンビニおにぎりも要注意!老化を加速させるリン酸塩の見分け方
 リンは過剰摂取した場合、カルシウムと結合すると動脈硬化を進行させる。特にハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉、スナック菓子やインスタント食品に含まれるリン酸塩は腸から吸収されやすい“老化加速装置”。
 商品の原材料名を見て、「リン〇〇」「pH調整剤」「かんすい」「結着剤」「膨張剤」とあるものはリン酸塩を含む可能性大!
 コンビニのお弁当やサンドイッチに含まれる場合も。

おいしく減塩できる神食材
薬味・スパイス
 ネギなど香りの強い薬味、唐辛子などのスパイスで風味づけすれば満足度UP。
お酢・レモンなど酸っぱいもの
 やサラダなどには酸味をきかせて。酢は血糖値の上昇を緩やかにする。
だし
 自家製だしをベースにすれば、減塩できてうまみアップ。ただし市販のだしのもとは塩分に注意。

おいしく減塩できる神食材レモン ※画像はイメージです
おいしく減塩できる神食材レモン ※画像はイメージです

教えてくれたのは……

上月正博先生●腎臓専門医。山形県立保健医療大学理事長・学長、東北大学名誉教授。『運動を頑張らなくても腎機能がみるみる強まる食べ方大全』『たんぱく質・プロテイン医学部教授が教える最高のとり方大全』(ともに文響社)など著書多数。
上月正博先生●腎臓専門医。山形県立保健医療大学理事長・学長、東北大学名誉教授。『運動を頑張らなくても腎機能がみるみる強まる食べ方大全』『たんぱく質・プロテイン医学部教授が教える最高のとり方大全』(ともに文響社)など著書多数。
上月正博先生●腎臓専門医。山形県立保健医療大学理事長・学長、東北大学名誉教授。『運動を頑張らなくても腎機能がみるみる強まる食べ方大全』『たんぱく質・プロテイン 医学部教授が教える 最高のとり方大全』(ともに文響社)など著書多数。
森下久美子さん●管理栄養士。東京農業大学農学部栄養学科を卒業後、管理栄養士の資格を取得。ダイエットの個別指導のほか、芸能人やモデルのボディメイクも行う。ダイエットフードの開発などにも携わる。YouTubeやTikTokでも情報を発信中。
森下久美子さん●管理栄養士。東京農業大学農学部栄養学科を卒業後、管理栄養士の資格を取得。ダイエットの個別指導のほか、芸能人やモデルのボディメイクも行う。ダイエットフードの開発などにも携わる。YouTubeやTikTokでも情報を発信中。
森下久美子さん●管理栄養士。東京農業大学農学部栄養学科を卒業後、管理栄養士の資格を取得。ダイエットの個別指導のほか、芸能人やモデルのボディメイクも行う。ダイエットフードの開発などにも携わる。YouTubeやTikTokでも情報を発信中。

(取材・文/仲川僚子)