キャッシュレス決済も身近になり、無人店舗の増加にひと役買っている
キャッシュレス決済も身近になり、無人店舗の増加にひと役買っている
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『〇〇Pay』がありすぎて、どれを使えばいいのかわからない

 今回“現金派”の意見として最も多く見られたのは、支出管理のしやすさについて。

「実際に財布の中身が減っていくのがわかるので、使いすぎの予防という意味でも現金払いに」(44歳・東京都)といった声や「キャッシュレスだとお金を使ったという実感がなく、つい使いすぎてしまう」(51歳・京都府)など、浪費予防のための“現金主義者”は多い。

たしかに“現金派”のいちばんのメリットは、使いすぎを抑えられるという点。クレジットカードとは異なり、財布の中身以上の金額は使えないので、節約意識や貯蓄意欲につながるという人は多いと思います。

 ただ、キャッシュレス決済のように記録が自動で残るわけではないので、厳密な支出管理をするためにはこまめに家計簿をつけなければならないといった手間はあるかもしれませんね」(花輪さん)

 次いで多かったのは「現金払いのほうがラク」という意見。なかには「クレジットカードやコード決済が使えない店舗なども多く、支払い時にスマホを開いてQRコードを提示したり、暗証番号を入力したり、キャッシュレス決済も意外と煩雑でストレスが多い」(33歳・埼玉県)という声も。

 また、「世の中に『〇〇Pay』というのがありすぎて、どれを使えばいいのかよくわからない」(56歳・岡山県)など、新しい決済方法を取り入れるよりも慣れ親しんだ“ニコニコ現金払い”をしたいという意見が目立った。

「デジタルネイティブの若い世代と異なり、スマホを使った決済よりも現金のほうが安心できるという声はやはり高齢層ほど増えます。小銭を数えたり、お釣りの受け渡しをしたりという煩雑さはもちろんありますが、ある意味で単純明快な現金払いのほうがスムーズに買い物できるという人はいまだに多いですね」(花輪さん)

 キャッシュレス決済に不安感を抱く“現金派”も多い。

「不正利用をされてしまう可能性が拭えず、カードは持ってはいるけど極力使いたくない」(40歳・東京都)

クレジットカードは翌月決算で、ある意味で借金のように感じて使いにくい」(39歳・福岡県)という人も。

「特にネット上でクレジットカード情報を入力したくないという人は一定数いるようです。私自身もかつて不正利用の被害に遭ったことがあるので、セキュリティー上の不安感はよくわかります。

 カード会社の保険でカバーされることがほとんどですが、きちんと明細をチェックしていないと気づかないということもあり得ます。もちろん現金でも盗難や財布を紛失するリスクがあるのでどちらが安全というわけではないですが、利便性より安心感を求める人がいるのは当然かもしれませんね」(花輪さん、以下同)

 一方で、“キャッシュレス派”の理由として最も多かったのが「ポイントがどんどん貯まる」というメリットだ。

「ポイント還元キャンペーンを積極的に行っているサービスも多くあり、そういったお得感がキャッシュレス決済の普及を後押ししているようです。もちろん財布を持たずに出かけられるといった利便性もあり、一度使い始めるとキャッシュレス決済のほうが楽だと感じる人はこの先さらに増えていくと思います」