まずはみんなで集まる場をつくりませんか?
この商品を飲みましょう、ではなく、楽しく飲むという“概念”を伝えたいということなのか。飲料専門家の江沢貴弘さんは、
「アルコールとか、ノンアルコールといった垣根を取っ払った上で、みんな“飲み友達”としてつながろう、ということだと思います。新しい飲み会、コミュニケーションの場の提唱なのでしょう。
3年間のコロナ禍で“個”としての生活が定着しました。人と会えませんでしたから、自宅で自分の飲みたいものを、自分のペースで飲むというライフスタイルが確立してきましたよね。コロナの規制が緩和された今、そういった個人のスタイルをキープしながらも、みんなで集まって飲食するのは楽しいよ、と。まずはみんなで集まる場をつくりませんか、ということだと思います」
お酒を飲むために集まるのではなく、みんなが集まったところに飲みたいと思うものがある、というのが理想のようだ。前出のアサヒビール広報担当は『スマドリ』への取り組みについて、
「『スマドリ』という言葉と考えの認知率を、'25年までに40%まで上げたいと考えています。さまざまな人の飲み方の選択肢を広げて、多様性を受容できる環境づくりを進めていきたいです」
飲料メーカーは以前にも増して、消費者の生活スタイルの提唱までしないといけなくなるとは……。これがまさに“多様化の世界”!?