若返り2:運動はやりすぎない
認知症を予防する運動も“ほどほど”が鉄則
日常的な運動習慣も、重要な認知症対策となる。
「身体を動かすと、神経細胞を元気にする物質(脳由来神経栄養因子)が分泌されて、認知機能を高めるといわれています。また、運動は筋肉や骨が衰えて運動器障害によって要介護リスクを上げる『ロコモティブシンドローム』の予防にも役立ちます」
つまり、運動を怠ると、これらのメリットが得られなくなるということ。その一方で「運動の方法と量には注意が必要」と浦上先生。
「運動不足の解消と聞くと、多くの人がウォーキングなどの『有酸素運動』をイメージします。たしかに中年期で肥満体形の人であれば、有酸素運動はダイエットに有効です。しかし、高齢者が有酸素運動をしすぎると、筋肉の合成に使うはずのアミノ酸を消費して筋肉をつくりにくくしてしまうのです。
そもそも“運動は健康に良い”とされていますが、年齢にかかわらずやりすぎはNG。無理をしてケガをしたり、三日坊主でやめてしまったら、そもそも意味はありません」
認知症を予防する運動法は、有酸素運動だけでなく、筋肉トレーニングを“適度”に行うのがベスト。
「ウォーキングであれば1日8000歩が理想。歩いているときも、周囲の建物を数えたり、道に咲く花の名前を言うなど“頭を使う”と、より認知症対策になります。
また、筋トレは1日10分のスクワットで、脚の筋肉の維持につながります。どれも週に2回ほど行えば、認知症予防には十分なので、まずは続けることを目標にして習慣化しましょう。自分に合った運動法を探ってみてください」