若返り3:日本食中心で偏らない
身体によくても特定の食材に偏るのはNG
「食生活は、普段から気をつければ認知症予防にもなりますが、おろそかにすれば生活習慣病を招き、認知症の発症リスクが高まります。私自身も認知症予防を研究する一人として、“食”には大いに注目していますね」
一方で、食事と認知症の相関関係は科学的根拠を示すのが難しい、と浦上先生は話す。
「ただ、ひとつ言えるのは、特定の食品や栄養素をたくさん食べれば認知症を予防できる、なんてことはありません。偏りなく、栄養のバランスを意識して食事をとるのが大前提です」
栄養バランスを考慮した食生活として浦上先生がおすすめするのは、地中海式食事と日本食だ。前者の地中海式食事には、認知症予防に関するエビデンスが存在するという。
「地中海式食事法は、全粒穀物を用いたパンや麺類、果物、野菜でビタミンやミネラルをとり、オリーブオイルを毎日たっぷり使用します。タンパク質は、乳製品や魚、脂身の少ない鶏肉でとりましょう。
日本食で使われる食材との共通点も多いので、主食を玄米にしたり、大豆製品を使ったりして、地中海式を和風にアレンジするのも◎。
ただ、従来の日本食は塩分が高いため、そのままの作り方は、高血圧を招いて脳梗塞・脳出血のリスクが上がります。自炊する際は減塩の調味料を使用するなど、“塩分控えめ”を心がけましょう」
認知症対策を意識した食事は、身体の健康維持にもつながるのだ。
お酒はほどほどに!
大量のアルコールは、脳に悪影響を及ぼし、認知機能の低下を招く。加えて生活習慣病など他の認知症リスクを高める原因に。
中年期で、毎日、日本酒1合、ビールの中瓶1本、チューハイ1缶(7%)以上の“過剰飲酒”の人は要注意。