【運用】に関するマチガイ常識
もう50代だから今さら資産の運用を考えても遅い
投資に挑戦してお金を増やそうと思いながらも、中高年になると年齢をネックに躊躇しがちだ。しかし「50代からでも決して遅くはない」と黒田さん。
「55歳をスタートとしたら65歳まで10年、75歳までなら20年の運用期間があります。来年から始まる新NISAは投信積み立ての長期運用を行いつつ、無期限で税制優遇を受けられるようになります。
預金ではお金は増えないばかりか、インフレで資産が目減りしていくことも忘れずに」
まとまった資金を投資に充てると大きく増やせる
退職金や親の遺産などで数百万円、数千万円のお金を手にしたら、「投資で増やして老後資金に充てよう」と考えるもの。しかし、その行動はアウト!
「こういった投資は大きな失敗を招きやすい。投資ビギナーならなおさらです。まとまった資金を投資に全額回すことは絶対に避けてください」
まとまった資金のうち、どのくらいを投資に回せるかを検討して臨むのが正解。
「老後の生活費や使う予定のある資金などを確保し、残りの余裕資金を投資に充ててください。住宅ローンが残っている場合は、投資ではなくその返済に充てるのもありです」
【その他】に関するマチガイ常識
親の介護費用は親のお金で賄うべき
親の介護であれこれ費用がかかっても、親のお金で支払うのだから安心、と思いきや……。
「親にお金があればそのとおり安心ですが、なかったらどうなるか。子どもが介護費用を負担しなければならないことも想定されます」
早いうちに親の資産状況を把握することが大切になってくる。
「どこの親も子どもに迷惑をかけたくないもの。さりげなく、『何かあったら心配だから』などと話し、情報共有の機会をつくるべきです」
親からの贈与はもらって損はない
親からの金銭贈与はありがたいはず。だがいいことばかりではなくマイナス面も肝に銘じておかなければならない。
「贈与には贈与税という税金がかかります。財産をもらった側が支払うものです」
親からの金銭贈与を望む場合、贈与税がかからない範囲なら税金を取られずにすむ。
「年間110万円以下の贈与を非課税とする暦年贈与や、最大2500万円までの贈与を非課税とする相続時精算課税制度などがあります」
(取材・文/百瀬康司)