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ー 悪い意味でもバズった“ポケモンの『プリン』”

 ミスタードーナツ、そう、通称「ミスド」が絶好調だ。掃除用品や掃除サービスのレンタル等を行う、運営会社の「ダスキン」が発表した2023年3月期通期決算によると、営業利益は前期比51・2%増の54億円超。'15年3月期に1316店あった店舗が、'22年3月期時点で979店舗になり、約340店舗も縮小するなど、かつては収益性が低下し赤字が続いたことで、閉店ラッシュに見舞われていた。原材料価格の高騰などで苦戦が強いられる外食チェーン店において、2度の値上げをものともしない強さを見せつけている。店舗数も'23年3月に再び大台の1000店に戻した。まさに“再ブレイク”と言ってよいだろう。

「ダウンタウンの浜田雅功さんの“フレンチクルーラー不倫”なんて話題も記憶に新しいのではないでしょうか。本当に好きなミスドはエンゼルクリームだ、なんて記事も当時は出ていた始末(笑)」とは、芸能ライター談。

 さらに、「霜降り明星の粗品さんは単独ライブのネタで“ミスドでオールドファッション誰が頼むねん”と暴言を吐き、その後、自身のYouTubeで〈大嫌いなオールドファッションを食べる〉というタイトルの動画を投稿。“やっぱりまずいやないかい!”とこき下ろしていました(笑)」など、業界内にもファン(!?)が多い。

悪い意味でもバズった“ポケモンの『プリン』”

 それにしてもなぜ、一時はオワコンとも思われたミスドが、ここまで再ブレイクできたのか。若者向けWEBメディアなどを運営する、株式会社MTRL代表取締役の佐野恭平さんに話を聞いた。

「“ミスド復権”のきっかけは、TikTokやYouTubeショートなど、ショート動画をはじめとしたSNSへ新作ごとに投稿されるUGC(企業ではなく、一般消費者やユーザーが自発的に制作するコンテンツ)によるものが大きいと思われます」(佐野氏、以下同)

 かつて、「ミスドは凍らせたほうがおいしい」とファンの間でにわかにSNSで話題となり、それをきっかけにミスドサイドも公式ホームページの一部の商品欄に〈凍〉とマークをつけるなど、「凍らせてもおいしいドーナツ」を発信するようになった例も。

「もちろん、ミスドのプロモーションもその逆算で、ミスドの新作にはSNSへ投稿したくなるような話題性のあるものが多く、打ち出し方も巧みです。今は、まさに新作の『白いポン・デ・リング』がバズっていて、若者のインスタのストーリーズで見かけない日はないです」

“ミスド食べ放題”も話題に。

全国の何店舗かで実施されている食べ放題もインフルエンサーたちの心をつかみ、モッパン系のYouTuberやTikTokerの多くが企画に活用しました。また、ポケモンの『プリン』とのコラボは、その奇妙な見た目から“梅毒プリン”と揶揄され、悪い意味でも大いにバズりました。一見ネガティブに捉えられるような話題ですが、近年、若者世代にも急増している性感染症と不覚にも“コラボ”してしまったようです

’22年で5年目を迎えた、ミスドとポケモンのコラボ。かわいいはずの「プリン」が、肌荒れしていると話題に (c)2022Pokemon.(c)1995-2022 Nintendo/CreaturesInc./GAMEFREAKinc.
’22年で5年目を迎えた、ミスドとポケモンのコラボ。かわいいはずの「プリン」が、肌荒れしていると話題に (c)2022Pokemon.(c)1995-2022 Nintendo/CreaturesInc./GAMEFREAKinc.