意識すべきはリンパの流れ、逆流にご用心
リンパ液は静脈とつながる出口に向かって、一方向に流れているが、リンパが集まる鎖骨と首周りのケアが一番重要だ。
「巻き肩や猫背だと、鎖骨周辺のリンパの流れが滞り、しっかり流れません。胸部を開いて流れやすい状態を作りましょう」
皮膚との摩擦を防ぐためしっかりとクリームを塗ったうえで、下記の順に行ってみよう。
(1)手を交差し、肩から鎖骨の中心に向かって、内によせるようにさする
(2)顎下から、首を下に向かってなでおろす
(3)耳の後ろから、顎先に向かってなでおろす
(4)再び(1)を繰り返す
飲酒後は避け、食後も2時間ほどしてから行い、マッサージ後は水分補給をしっかりと。「カッサや美顔器など、道具を使う際にもとにかくやさしく。顔周りの皮膚や筋肉は本当に薄いので、ゴリゴリこすると炎症を起こすこともあります」
毎日、化粧の前や、夜の肌ケアの際に1~2分行うのが基本。
「2週間行うだけで、くすみやむくみには明らかな変化がみられるはずです」
むくみにも質量があるので、放っておくと当然、皮膚のたるみにつながる。美容はもちろん、身体の中の浄化作用をうまく機能させるためにも、今日から「リンパさすり」を取り入れてみよう。
教えてくれたのは……船水隆広さん●学校法人呉竹学園臨床教育センターManager。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師として25年の臨床経験をもち、欧米やアジア各国など国内外で鍼灸の指導にあたっている。ストレスケア、こころの病気、美容鍼、フェムテックケアに対するささない鍼を用いた施術が専門分野。心身健康科学修士、経絡治療学会評議員、日本伝統鍼灸学会理事、日本更年期と加齢のヘルスケア学会幹事、多文化間精神医学会会員、(一社)こころ鍼灸協会理事