ネットはもちろん生活圏内の情報も敏感に

 シルバー世代の転職活動を斡旋する企業も年々増えている。マイナビミドルシニアをはじめとする求人サイトや、派遣業界などもシニアに特化したサイトが多く存在する。

「対象がシニアでも、ほぼ100%ネットで情報を得る時代です。また、応募の履歴書はもちろん、その後の採用までのやりとりも、電話ではなくすべてネットで完結することも多い。

 よい情報を得られるようにするためにも、パソコンなどでのリサーチスキルを磨いておくことも重要です」(三好さん)

 また、地元就職志向だからこそ、身近にどんな会社があるのかにアンテナを張っておくことも貴重な情報源だと上村さん。

「地方都市などでは、コールセンターや物流センターがどんどんできている地域もあります。自分の生活エリア内で新しくできた会社や、どんな会社があるのかを積極的に知っておくことで、まったく知らない人よりも、半歩先を行くことができるかもしれません」

高齢者の雇用形態別就業者推移 ※出典:高齢者の雇用形態別推移(役員除く)/労働力調査2021年(総務省統計局)
高齢者の雇用形態別就業者推移 ※出典:高齢者の雇用形態別推移(役員除く)/労働力調査2021年(総務省統計局)
【写真】コロナ禍以降、高齢女性の非正規雇用が増加している

仕事以外の楽しみもあり、70代以降も生き生き

 社会とのつながりを作れれば、お金はお小遣い程度でいいという方に向いているのがシルバー人材センターだ。

「定年延長などの影響で、最近は60代の方は減少し、70代が6割を占めています。体力レベルに合わせたお仕事の紹介を心がけていますし、それと同時に、センターは社会とつながり、生き生きと過ごしていただくための団体でもあります。

 サークル活動やボランティア活動なども行っていますので、気軽に利用してほしいですね」(阿部さん)

 年々健康寿命も延びてきている昨今。お金や、健康のためにも、また社会貢献のためにも“働く意欲”をうまく現実に当てはめることが重要だ。