ドリル?手作り?地域で異なる形態
『夏休みの友』の内容について、富山県、滋賀県、岡山県、広島県などでは、
「算数、国語が多くて理科、社会が少し、ときどき工作や日記など入ったもの」
という、ほぼドリル派という声が多く聞こえてきたが、九州では先生方の手作り派が多く、特に佐賀県からは当時の宿題を懐かしむ声が。
「名前は『夏の友』で、表紙は県内の小学生が描いた絵。ページごとに教科が違って、国語や算数だけじゃなく、郷土の歴史や自然の中での観察、音楽、日記、家庭科、水泳の泳ぎ方なんかも入っていた記憶が。
図工は作り方が描いてあってそれを夏休み中に必ず作って提出。卵のカラを使ったり、かまぼこ板を使ったり。大変だったけど懐かしい!」(佐賀県 女性 45歳)
「えっ?他県ではないところもあるの?今まで、当然のようにあるものだと」(佐賀県 男性 50歳)
「先生方の熱い思いがつまった手作り感あるページが何げに好きでした。クイズ形式の算数があったり、“有明海に行ってムツゴロウを見ました”なんて佐賀感満載の文章もあったりして(笑)。
欄外には佐賀についての豆知識などがびっしり書いてあって。当時何げなく読んでいて学んだことを、この前そのまま子どもに伝えてた(笑)」(佐賀県 男性 42歳)
「実家から昔の『夏の友』が出てきて懐かしくて見てたら、工作ページで“穴をほがします(開けますの意)”と方言で書いてあって、ほっこりした」(佐賀県 女性 45歳)
残念ながら現在、佐賀県では『夏の友』が発行されておらず、業者の冊子となっているよう。
アンケートによると、現在、子どもたちに学校から『夏休みの友』のような宿題冊子が「出されている」が約37%、「出されていない」が約63%。内容もほぼドリル的なものとなり、手作り系冊子は時代の流れとともに全国的にほぼ姿を消しつつあるようだ。