7月には、日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を更新するなど、株価は右肩上がり。加えて、'24年からは新NISA制度が始まる。
もはや貯金だけでは資産を守れない
「投資」の2文字が気になる今日この頃だが、ファイナンシャルプランナーの山口京子さんは、週女世代には「投資アレルギー」がある人が少なくないと話す。
「その世代はバブル崩壊後の株価暴落、経済不況をまさに現役世代で経験している。貯蓄は安全、投資は悪という価値観がすり込まれています」(山口さん、以下同)
しかし、山口さんは「そのままではいけない」と警鐘を鳴らす。世帯年収800万円の世帯では、投資をしていない世帯より、投資をしている世帯のほうが約1600万円資産が多いというデータもあるなど、“投資格差”が拡大しているのだ。
「日本円での貯金は、日本円に投資しているのと同じで円安、インフレのリスクがある。物価が上がれば、同じ100円を持っていても買えるものは少なくなる。貯金の価値が目減りしてしまうのです」
NISAは国が用意した老後資金作りにマストな制度
そこで山口さんがすすめるのが、世界中の株への投資。
「日本の経済が停滞していても、世界全体では経済は成長し続けています。世界中の株に少額ずつ、長期分散投資すれば、資産を守れる可能性が高い。それをサポートするのが、NISAという制度です」
投資信託の運用利益にかかる約20%の税金が、一定の枠内で非課税になるNISA。そもそもの狙いは?
「進む高齢化に備え、政府が用意した老後資金形成のバックアップ制度といってよいでしょう。新NISA制度では、非課税の枠が拡大し、投資枠が年360万円に。『老後資金を自分でしっかり作ってね』ということ」
しかし、老後が目前に迫っている世代には、「NISAで長期分散投資といわれても」と感じる人も多い。
「女性の2人に1人は90代まで生きるといわれています。50代があと40年生きる中、20年は1か月3万円の積み立て投資を続け、3%の平均利回りがあったとします。残りの20年間、運用しながらそれを取り崩すと、月に3万6000円が引き出せるんです」
積み立てた金額より毎月6000円多く返ってくる計算だ。3%は金利ではなく、株価の上昇や下落をトータルで見た平均利回り。日本で10年以上販売されている投資信託の8割が平均利回り3%だ。
「今、つみたてNISAを始めれば、現在の年間非課税枠40万円を20年間保有したまま、新NISAの拡大枠も使えます。始めるなら早いほうがいいですよ!」