闘病生活が長かったなどの理由で非常に痩せてしまった人は、遺体として口が閉じづらくなることがある。ビッグモーター的葬儀業者はそういったとき、“特別”なケースとして追加で法外な料金を請求することもあるという。
「オプション、オプションでどんどん高い料金に。葬儀業者を仲介するサービス『葬儀紹介会社』という業種があるのですが、ネットなどで“葬儀代30万円!”などと大きく謳い、非常に安く済むと見せかけつつ、実際にかかる費用は提示した費用の3〜4倍、120万円くらいになってしまうことが当たり前のようになっています」
ビッグモーター的葬儀業者を見抜くには
なぜ提示額と実際にかかる費用に差ができるのか。
「“火葬代は別です。10万円です”、“この額は人件費1人です。ちゃんとした形にするためにはもう1人必要です。5万円です”……そのような形でどんどん膨れ上がるわけです。提示額の料金って何も含まれていないんじゃないの? と、まともな業者は思っています。
例えばこの斎場を使うなら、1週間待ちだから保管料とドライアイス料がその分かかる。そのうえ遺体管理料というものも取る。1日2万〜3万円が1週間分必要になってしまうなどです。業者であればすぐ気づくことですが、一般の人はわからないから後々になって追加がなされて、“そんなものなのか”と払うことになる」
人間の尊厳を踏みにじるような“宣伝”も……。
「ある火葬場で仕事をしたときのことです。骨壺には『火葬許可証』が入っており、そこにハンコを押してもらうことで『埋葬許可証』になります。普段は許可証だけなので薄い封筒に入っているのですが、いつもと違い厚みがある封筒だったので、おかしいと思い見てみると、ある民間火葬場の“広告”が入っていた。
某芸能人を表紙に起用したものでした。骨壺に入れるものというのはビジネスの対象ではない。自分たちの宣伝を入れていい場所じゃない。遺骨というものはただのモノではなく、敬意を持って取り扱うべきものです。なにより遺族に対しての礼儀、故人様への礼儀が持てていない。人としてどうかしているとしか言いようがない」
ビッグモーター的葬儀業者を見抜くには……。
「ビッグモーターでは“口コミのサクラ疑惑”が報じられましたが、私のもとにも葬儀紹介会社の内部告発が届いています。会社から口コミの捏造を指示され、それが嫌で辞めたと。もちろんそのような口コミだけとは言いませんが、捏造された信頼できない口コミもあるということを知ってもらいたい。
業者の選び方は、やはり実際に葬儀業者を使った人にどうだったのか話を聞くこと。ネットの口コミではなく、ちゃんと“人”に聞いた本当の口コミを参考にすべきだと思います」