今のところ“キムタクと工藤静香の娘”が職業
役者やタレントなど、父や母と同じ道に進む二世が多い一方で、親とは違うステージで、頭角を現す二世もいる。その場合も、世間には親の名前を明かさないケースが多い。
「離婚騒動の渦中にいるDragon Ashのボーカル、降谷建志。彼は故・古谷一行さんの息子ですが『親の七光りに頼りたくない』との考えから、長い間、親の名前を伏せていました。実際に役者ではなく、音楽で身を立てましたが、父親と同じく女性スキャンダルを起こしてしまったのは皮肉な話ですよね」(刈谷さん)
ダウンタウンの浜田雅功とその妻、小川菜摘の息子も、ハマ・オカモトという名義でロックバンド、OKAMOTO'Sのベーシストを務めている。彼もまた、音楽シーンでキャリアを確立するまで、世間に両親の名は公表しなかった。
「ハマ・オカモトくんは、音楽活動に加えて司会業もこなしているので、これからさらにマルチな活躍が期待できます。ハマちゃんにそっくりな顔で標準語を話すギャップがおもしろいですよね(笑)」(刈谷さん)
もちろん親の名前を利用する二世がいなくなったわけではない。令和を代表する“七光り二世芸能人”といえば、木村拓哉と工藤静香の娘たちだ。
「次女のKoki,は、15歳のときに突然ファッション誌の表紙を飾り、世間の度肝を抜きました。なにせ、顔がキムタクにそっくりですからね。しかし、彼女のそれ以降の活動を見ると何を目指しているのか、まったくわかりません。少し遅れてデビューした姉のCocomiも同じ。今のところ“キムタクと工藤静香の娘”が職業ですよね。今後、道端ジェシカさんが元F1レーサーのジェンソン・バトンと結婚したくらいの、超有名人でお金持ちの外国人と結婚するしか話題作りはないような……」(刈谷さん)
親の光が強すぎるのも考えものだ。
「一般人に比べて、二世芸能人が業界に入りやすいのは確かです。しかし、最後に彼らをジャッジするのは視聴者。結局は見ている人々が認めるか否かにかかっているので、“実力派”が残るのは必然ですよね」(渡邉さん)
芸能人の子どもとして生まれた運だけでは、芸能界で生き残れない。実力派二世の、今後の飛躍に期待したい!
渡邉裕二 音楽・芸能ジャーナリスト。文化通信社代表取締役社長。2006年に松山千春のドラマCD『足寄より』をプロデュース。後に映画化、舞台化も果たす。『中森明菜の真実』など著書多数