《当初計画を大幅に上回るご注文をいただいており、製品の供給が追い付かない状況であるため、ご注文の受付を一時停止しております。今後の販売予定はわかり次第掲載いたします。誠に申し訳ございません。》
10月31日現在、富士フイルムの『“チェキ”instax』(以下、チェキ)の直販サイトには、このような文章が掲載されている。
「『チェキ』は1998年に『富士フィルム』から発売されたインスタントカメラの人気シリーズ。その場で写真を現像できる手軽さと“撮り直しが効かない一点もの”というアナログ感が魅力なんです」(全国紙記者、以下同)
発売直後は当時のプリクラブームの相乗効果で人気製品となるも、2000年代に入ると、携帯電話やデジタルカメラの普及で需要が低迷する時期もあったが――。
「2007年に韓流ドラマの劇中で『チェキ』が使用されたことがキッカケとなり、人気が再燃。その後もデジタルデータにはない魅力に注目が集まって、再ブームを巻き起こしました。順調に売上を伸ばしていき、2018年にカメラ本体の年間売上が1000万台を突破。今年で発売25周年ですが、Z世代のユーザーが、スマートホンではなく、あえてチェキを使う流れもあり、供給が追いつかない状況になっているのです」
そんな中、品切れの煽りをもっとも受けているのは“アイドル業界”だという。
「アイドルのライブイベント後に、ファンとアイドルが一緒に写真撮影を行う『チェキ会』というイベントは定番。イベント運営側からすれば一番大きい収入源なんです」(アイドルファン、以下同)
1枚80円程度が1000円から1500円に
通常、『チェキ』のフイルムの値段は1セット10枚で税込み814円。しかし、アイドルとの思い出が加わると“大幅値上げ”するのだ。
「チェキ会では、1枚の相場価格が1000円から1500円。アイドルに対してポーズの指定やサインなどのオプションを付けるとさらに値段がアップすることも。熱心なファンは、一度に何枚もチェキを購入して、撮影しています」
ファンにとっては推しに自分を覚えてもらうチャンスでもあるようだ。
「実は、今年中盤ごろから、チェキのフィルムが売り切れるお店が続出。在庫があるお店でも、“おひとり様一点まで”といった購入制限がかけられているのです」