『1789』を巡る異例の事態は私設のファンクラブに、あるトラブルを招いているという。

「通常、休演になった公演のチケットは払い戻されます。実際に『宝塚友の会』から販売された『1789』の休演分のチケットは、順次払い戻しが行われています。しかし、劇団から会におろされたチケットの払い戻しはまだ見通しすら立っていないようで……。未返金の影響は大きく、運営が逼迫している会も少なくないそうです」

『1789』に出演していた生徒の1人、輝月ゆうまの会もそのひとつ。

「返金を受け付けない」

先日“劇団からの払い戻しがいまだに行われておらず、運営が苦しい”との旨が、会から伝えられました。そのうえで“次回公演でいい席を手配する代わりに、休演分のチケットの払い戻しを少し待ってもらえないか”との話を持ちかけられました。ほかのファンも同様の連絡を受けているみたいです。私は5年以上、輝月さんの会に所属していますが、こんなことは初めてです。お金にはとてもクリーンな会なので……」(輝月ゆうま会関係者、以下同)

『1789』公演ポスター。手前右側が星組トップスターの礼真琴(劇団公式HPより)
『1789』公演ポスター。手前右側が星組トップスターの礼真琴(劇団公式HPより)
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 しかし、同会よりもひどい対応を行う『会』もあるという。

「会からチケットを購入する場合、1枚につき500円から“お花代”を上乗せすることができるんです。熱狂的なファンの中には数万円ものお花代を包む方も。うちの会は休演になったチケット代と一緒にお花代も返金してくれます。一方で、お花代の返金は受け付けない会もあるようです。観劇できなかったのにお花代だけ徴収されるのは納得いきませんよね

 休演になったチケット代金の払い戻し滞納について劇団に問い合わせたところ、《弊社から個別の団体様への払い戻しの状況については、お取引に関する事柄のため、回答は控えさせていただきます》との返答があった。

 こうした混乱は私設ファンクラブの体制の脆弱性にも原因があるようで、

「会は劇場における出待ちや入り待ちの管理や、チケットの取り次ぎ、お茶会などのイベント運営、グッズの製作・販売など、多岐にわたる業務を担っています。そのすべてを数人のスタッフが無償で執り行っているんです。人手は常に足りていませんし、スタッフは素人で、マネジメントの専門知識は当然ありませんから、今回のような異例の事態が起こると、運営面だけでなく、会の存在自体が成り立たなくなってしまうのもうなずけます」