0円温活で病気のリスクが軽減

 とはいえ、すぐにリフォームするのは金銭的に難しいという人もいる。そこで、お金をかけずに冬のヒートショックを予防する生活習慣を川嶋先生に教えてもらった。

「節電を意識するあまり“寒い”と感じても我慢したりするのは絶対にダメ。寒さに対する準備を怠らないことが、自分の命を守ることになります。

 寒いと感じたら、家の中でも上着を着ること。下着を重ね着してもいいですが、暖かい部屋に入ると汗をかいて、逆に身体を冷やしてしまうことがあるので上着で調節をすれば、寒さによる血管の収縮を防げます」

 廊下やトイレが寒い家では、スリッパを履くようにして「ヒヤッ」と感じることを防ごう。

「ウォーキングなどの運動習慣もおすすめです。身体を動かせば筋肉が熱をつくり出すので、筋肉の中を通る血液も温められて、血管の詰まりが改善されます。目安となる歩数は1日7000歩。ただし、このうち20分間は、通常の1.5倍の速さで歩く“早歩き”をするといいですよ」

 日中、座っている時間が長い人は、30分に1回など、定期的に立ち上がるようにするだけでも血流の改善になる。

「入浴はシャワーではなく、浴槽に10分間はつかりましょう。お湯の温度はぬるめの38~39℃を目安に。副交感神経が優位になって心身がリラックスし、血管も広がるので、身体が温まります」

 ほかにも取り入れてもらいたいのが、川嶋先生も実践し、左で紹介する「0円温活習慣」だ。

「白湯を飲んだり、湯たんぽを活用することで、寒さで身体に負担をかけないことが大切です。隙間時間には温め呼吸法で血流をよくし、元気に冬を乗り切りましょう!」

ヒートショック対策は万全に“冬はココに注意”!血管を守る習慣

●家の中の温度差

 暖かい部屋から廊下やトイレなどの気温差がある場所に行くときは、そのままの服装で部屋から出ないこと。上着を1枚着用し、足元から冷えてしまうためスリッパを履いて、血管の収縮を防ぐようにする。

●風呂に入るとき

 風呂場はヒートショックを起こしやすい。寒い脱衣所で服を脱ぎ、温かいお湯につかったときや、暖房が脱衣所にしかなく、浴室との室温差で発症することも。入浴時には事前に、風呂場全体を寒くない状態にしておこう。