原作者としてキャラクターに関する演技指導にも携わっていた山田氏。主演の吉岡とは映画撮影の2か月前から打ち合わせを行っていたという。

「彼は始終ニコニコ顔で“コトーは僕の役だから!”とやる気満々でしたね。吉岡くんや柴咲コウさんなどレギュラーだけでなく、堺雅人さんや神木隆之介さんといった1シーズンだけ出演してくれた演者さんも映画に出てくれました。コロナ禍の真っただ中で、あんな豪華なメンバーが集まって映画が作れたことは、今でも奇跡だと思っています」

“コトー先生死亡説”

 コトー先生の診療所で新米医師を演じた『King & Prince』の高橋海人との間にも表に出ていないエピソードがあるようだ。

高橋くんがコトー先生に深く一礼するシーンがあるのですが、これは脚本に書かれていないアドリブなんです。私は演者たちに演出指導もしていて、高橋さんにも“この映画は君が演じるキャラクターの成長物語でもあるんだ”と説明していましたから、彼なりに解釈したのでしょうね」

 裏話を明かしてくれた山田先生は、映画を見た人にメッセージがあるという。

「ネタバレになるかもしれませんが、映画を見た人の間で“コトー先生死亡説”が流れていまして……。確かに、彼は劇中で病気を患ったり、ラストの演出も含みを持たせていたかもしれません。しかし、明言しますが、コトー先生は死んでいません!

 続けて、新作の構想もこっそり明かしてくれた。

コトー先生は島に赴任する前、3年間の空白期間があるのですが、現在、その時期を描いた新作マンガ『Dr.コトー診療所 ゼロ』の連載準備を進めています。映画から入った人でも楽しめる作品にしますし、映像化などもできればいいなと考えているのでご期待ください!」

 ファンからの支持がある限り、『Dr.コトー』の世界は続くようだ。