「あの番組は、とんねるずのお2人が映画の撮影でお休みすることになり、急きょ始まった番組でした。ウッチャンナンチャンもまだ25~26歳と若かったからみんな必死!」
当時を振り返り、そう語ったちはるさん。内村光良さん扮するマモーの愛人役『ミモー』として一世を風靡した。現在、タレント業だけでなく、カフェ「CHUM APARTMENT」のファウンダー(始業者)ならびにチーフマネージャーとして活躍している。
「当時、フジテレビではとんねるずさんをはじめ、『ダウンタウンのごっつええ感じ』、山田邦子さんの『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』などの番組が人気を競い合っていました。スタッフを含め、みんながライバル同士だったから、“隣のスタジオで大爆笑”なんてことがあると、色めき立っていましたね」
「パンツ一丁は珍しくない」
当時、バラエティーには、ウッチャンナンチャンをはじめとするいまや大御所となったタレントが続々と誕生。さらには現在のようなコンプライアンスによる制約は皆無という時代だった。
スタッフ誰もが“われこそが一番面白い番組を!”と、時には過剰なほどに勢い込んでいた。
「だから私たちタレントもギリギリまで追い込まれて。コントとかでもタレントがオチをつけるまでカメラマンがずっとカメラを回し続けて、OKを出さないんです。カツラを取ってみたりとか、ウィキペディアでは私がリハーサルでパンツ一丁になったとありますが、記憶にないものの、その程度のことは珍しくもなかったですね」
出演者はじめスタッフの番組に懸ける思いは強烈で、オープニングやエンディングのテーマ曲選びひとつにも、一切妥協がなかった。
「エンディングをどの曲にするか、あるいはタイトル直後のひとコマ目に自分が初めて登場するとき、自分の顔をどう表現するのか。クチャッとするのかどうするのか? それを真剣に討論するんです。ですから“オレンジの扮装が恥ずかしくなかった?”とよく聞かれますけど、そんなこと、考えたこともなかったです」