「俺は4人殺したことがある」と徹底的に脅して…
犯行日から遡ること3か月、周到な準備は始まっていた。中西被告は大手ショッピングサイトでバイブレーター、ローション、SM用の拘束具など犯行で使用する道具を購入していたのだ。
事件当日、Aさんがアパート裏にある水道の検針を始めたところ、背後からAさんの頭に布状の袋をかぶせて、いきなり殴る蹴るの暴行。そのまま“空き部屋”に引きずり込んだ。そして中西被告はAさんに「俺は4人殺したことがある」などと徹底的に脅してから、性的暴行に及んだ。その詳細は、出廷しなかったAさんに代わって検察が読み上げた供述調書によって明かされた。
『口淫(こういん)させられ、口内で出された精液を飲まされました。“(すべての行為を)録画している”とも伝えられた。バイブレーターなどいろいろな性具で長時間、もてあそばれました。そして、拘束されていた両足の粘着テープを剥がされて、性交させられた。“避妊具をつけることを約束する”と伝えられたが、性交後に口淫させられて、避妊していないことがわかった』
犯行後、中西被告から“自分が部屋を去ったあと、15分後に出るように”と伝えられたという。
『被告は会社の同僚だったので、会社にも行けなくなり、辞職せざるを得なかった。とにかくできるだけ重い処分を望みます』
こう締めくくられた供述調書に、中西被告の弁護人は、
「被告は横田という男から暴力、脅迫を受けていた。犯行はその男に指示されていて、仕方なくやったこと。家族の支援で更生していくことも考慮してほしい」
と擁護したのだが、
「横田という人物はどうやら被告がでっち上げた実在しない架空の人物のようです」(前出・傍聴者)