人の心や社会を動かせる作品に向き合いたい
昨年6月に第3子を出産している。
「もうキャパを超えていて、いっぱいいっぱいです。3人目が夜なかなか寝ないので、とにかく眠たい、眠りたい!」
ちゃめっ気たっぷりの愚痴は、とても幸せそうだ。
「やっぱり上に2人いるので。上の子が下の子を可愛がる貴重な瞬間を見られる幸せはありますし、一緒に育てている実感もあります。“あなたたちが小さいときはこうだったんだよ”って3人目を見ながら伝えることもできますし。すごく“家族”という感じがします」
特に長女は、よく手伝ってくれて助かるのだそう。そんな母親業との両立は大変そうだが、今後の女優としての展望を聞くと、
「特に1人目のときは、子どもを預けることに対し“ごめんね”という気持ちで仕事に行っていました。家を出る間際に泣かれてしまうと、ずっとその顔が頭から離れなくて。でも今はスマホでビデオ通話もできるので“もうこんな笑顔だよ”とかもわかる。今は、預けることに罪悪感がなくなってきました。もちろん、心配はしますけど」
母親になってから、スイッチを切り替えないとできないような重い役は避けてきたという。
「だから、等身大の自分に近い役を選ぶことが多かったと思います。でも、だんだん“いけるんじゃないか?”と思えてきて。逆に、切り替えて演じたい。もっともっと人の心や社会を動かせる作品や役に向き合っていきたい。今回の市谷は、まさにそんな役だったと思います」
ということは今後、女優としてのギアを上げていく?
「そうですね」
と、ニッコリ。さらに多くの作品で、その熱演が見られそうだ。
大沢たかお、玉木宏、江口洋介
「主演&プロデューサーの大沢さんとは(『大阪ガス』の)CMで共演したことがあって。またお会いしたいなと思っていました。現場で大沢さんはピタッとしたジャージを着ていて、お尻がプリッとされていて。触らせてもらいました(笑)。海江田の阻止に動く深町洋役の玉木さんとは、子育ての話をたくさんしました。官房長官・海原渉役の江口さんは、デビュー作(『涙をふいて』'00年)以来、23年ぶりにお会いして。うれしかったです。江口さんには“14歳のころに見える”“時間がたってないみたい”と。感慨深かったです」