ここ何か月かは見たくないニュースばかりが目に入るようになり、スマホからニュースアプリを消したことも。
もうちょっと人が喜ぶネタを作らないと
「不倫とか薬物の話とか、『あいつがこう言っていた』なんて発言をスマホで探しては毎日何かしらのネタを作っていたので、アプリがないとやっぱり不便なんですよね。逆に、いかにネットニュースの感性でネタを作っていたのかということですし、そんな自分がちょっとイヤになってしまって。
芸人になったころは、携帯もネットもない環境で、本や新聞を見てネタを作っていたわけですから、もう一度、その感性に戻ってもいいのかなと思っています。もうちょっと人が喜ぶネタを作らないと。例えば、歴史上の人物をいじるとか」
そう塙が感じるに至ったのは、漫才協会の師匠方の影響が多少なりともあるのかもしれない。最後に、これから映画を見る人へのメッセージをもらった。
「人生には悩みとか、つらいこととかいろいろあると思うんですけど、それを笑いで昇華することができないと大変だと思うんです。お笑い自体は音楽と同じで、誰がやってもいいもの。だから、自分の中にある笑いを大事にしてもらいたいなと思っていて。それでも、笑えないときは東洋館に来てください。僕らが代わりに笑いを提供します。東洋館は芸人によって席が埋まったり、そうでなかったりもするので、ぜひこの映画を見て、東洋館に来ていただいて、推しの芸人を見つけてもらえたらと思っています」
取材・文/山脇麻生