軽い運動で尿ライフが快適に
おしっこに関する病気の治療法として、一般的なのは投薬治療。
「例えば女性に多い過活動膀胱なら、膀胱の神経過敏を抑える薬、漢方薬などが処方されます。近年は磁気を骨盤周囲に当て、急な尿意を起こりにくくする治療法も開発されています」
過活動膀胱や尿失禁、頻尿、排尿困難、残尿感に関しては自分でできることも。
「これらの症状は、膀胱の筋肉がしなやかさを失うことが一因。そこで衰えた膀胱の筋肉を動かすトレーニングを行うと、症状の軽減に役立ちます。
といっても、膀胱の筋肉そのものは意図的に動かせませんから、下腹部や太もも、体幹の筋肉を鍛えるといいでしょう。それで膀胱の筋肉も間接的にストレッチされ、柔軟性が高まります」
具体的には、体幹を鍛えるプランク、下半身を鍛えるスクワット、あおむけに寝て膝を立てた体勢で肛門の筋肉に力を入れて10秒ほど引き締める骨盤底筋体操などを実践するとよい。
「旭川医科大学で行われた研究でも、運動習慣は尿トラブルの改善に役立つことが実証されています。その研究では、800人の参加者が3か月間、週に1度、1時間半程度のレッスンに参加。
参加者が行ったのは柔軟体操などの軽い運動ですが、それだけでも過活動膀胱や頻尿の症状が軽減しました。運動は生活習慣病の予防にもなりますから、ぜひ取り組んでみてください」