【検証7】紫式部は年のわりに大人っぽすぎ?
ドラマ2〜8話の設定では、15〜16歳のまひろ。
「現代的な感覚ではまひろの言動は年齢にそぐわない大人びたもののようですが、当時の女性は12~13歳ごろに成人して結婚することがあったため、その年代は大人といってよいのではないでしょうか。
平安時代の平均寿命については諸説ありますが、『源氏物語』では光源氏の長寿のお祝いである「四十賀」が描かれていることから、40歳以降は老年と捉えられていたようです。
このことから、15歳か16歳のまひろが大人びた言動をしていてもおかしくはないと考えられないでしょうか」(帯刀さん)
やはり実際の平安時代とは異なる点が多々あるよう。さらに吉井さんによると、
「紫式部が五節の舞姫を務めたというのは記録に残っていません。ただ、この行事を見聞した経験はあったようです」(吉井さん)
平安時代に思いを馳せつつ、史実とは違うオリジナルな部分もひっくるめて上質なエンタメ作品として見るのが、雅な楽しみ方かも。
帯刀コロク●歴史ライター・小説家。『見て楽しむ 平安時代の絵事典』(成美堂出版)の原文を執筆。『星読みの国』で「第3回 西の正倉院みさと文学賞」佳作受賞
吉井美弥子●元・和洋女子大学教授。『源氏物語』を中心とした平安朝文学を専門とする。『語りたくなる紫式部 平安宮廷の表と裏』(主婦と生活社)を監修
吉井美弥子●元・和洋女子大学教授。『源氏物語』を中心とした平安朝文学を専門とする。『語りたくなる紫式部 平安宮廷の表と裏』(主婦と生活社)を監修