目次
Page 1
ー アメリカでは「オオタニ事件」?
Page 2
ー 評価の高い人ほと落下も激しい
Page 3
ー 社長のハイヤー通勤はただの贅沢ではない

 

 超絶な身体能力だけでなく、品格すらも備わったスーパースター大谷翔平選手を巻き込むスキャンダルになった違法賭博事件。長年お笑いの帝王として活躍してきたダウンタウン松本人志氏に降りかかった性加害疑惑。斯界の頂点に君臨するがゆえのこうした転落リスクを、ここでは「位置エネルギーリスク」と呼びたいと思います。

アメリカでは「オオタニ事件」?

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 今回の違法賭博の事件に関しては、日本とアメリカではその受け止め方に温度差があるようです。真相については捜査中ですが、アメリカでは大手メディアも、“Shohei Ohtani translator scandal(NBC)”とか“Ohtani betting scandal(ワシントンポスト)”のように「大谷の事件」のようなとらえ方をする空気があるように見えます。

 多くの日本人が、大谷選手への同情や心配など支持的な心情を持っている一方、アメリカの報道を見ていると、さめた距離感のようなものを感じます。大谷選手はこうしたスキャンダルがどこかのタイミングで起こりえるリスクを抱えていたと考えます。

 また、長年にわたってお笑い界の頂点をきわめてきたダウンタウン松本氏を突如襲った文春スキャンダル報道では、当初は批判的報道一色だったものの、時間とともにその真偽や証言への疑問、松本氏への支持の声も上がるなどの変化が見られるようになっています。

 こちらも、3月28日に、松本氏が文藝春秋社などを名誉毀損で訴えた裁判の第1回口頭弁論が開かれました。真相が明らかになっていない裁判中の現時点では、どちらの立場に立つことも控えるべきですが、私の先日の記事「松本人志氏騒動を拡大した『Xから発信』の危うさ」では、松本氏がSNSで直接意見発信をすることのリスクについて書きました。その背景には、帝王であっても松本氏に批判的層は存在し、その成功をうらやんだり、「引きずり下ろしたい」欲求リスクが存在するからです。