激しい寝言は危険信号!10年後に認知症に……
睡眠には、深い眠り・ノンレム睡眠と、夢を見る浅い眠り・レム睡眠の2種類があるが、最近の研究で注目されているのが、レム睡眠の重要性。
「これまでは、ノンレム睡眠が大事だといわれてきましたが、レム睡眠が減少するほど、死亡リスクが上がることがわかってきたことから、レム睡眠が重要視され始めています。
理由は明らかになっていませんが、人は年をとれば認知症になりやすく、がんにもかかりやすくなる。これは、加齢とともにレム睡眠が減少することに関わりがあるのではないかといわれているのです。加齢のほか、不規則な生活もレム睡眠を減らしてしまうので要注意です」
ノンレム睡眠とレム睡眠には、それぞれに役割がある。
「ノンレム睡眠は記憶を定着させ、レム睡眠は嫌な記憶を除去すると考えられています。ですから、ストレス軽減のためにもレム睡眠を増やすことが有効です」
また、レム睡眠に関連した危険な病気もあるという。
「先述のとおり、レム睡眠中に夢を見るといわれていますが、本来は筋肉が弛緩しているので、夢の中で行動しても実際に身体が動いたり、寝言でハッキリと喋(しゃべ)ることはできません。
しかし、アルコールやストレス、加齢や脳の病気などの原因により、筋肉の弛緩が阻害され、夢の中での行動がそのまま明瞭な寝言や体動として現れてしまう。それが“レム睡眠行動障害”という病気で、50代ぐらいからの発症が多いとされています」
隣で寝ている家族を殴ったり、ベッドから落下、家具に激突したりして、骨折などの外傷を伴うことも。
「さらに放っておくと、10年後ぐらいにはレビー小体型認知症やパーキンソン病を発症しやすいことがわかっています。大きな声ではっきりと聞き取れる寝言を言っていたら要注意です」